171-参-少子高齢化・共生社会に…-2号 平成21年02月18日

平成二十一年二月十八日(水曜日)
    午後一時開会
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   本日の会議に付した案件
○少子高齢化・共生社会に関する調査
  (「コミュニティの再生」のうち地域コミュニ
  ティの再生(地域の現状及び取組))
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○相原久美子君 三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。民主党の相原でございます。
  まず最初に、藻谷参考人にお伺いしたいと思います。
  実は、参考人の「ローカルが生む高級ブランド」という論文を読ませていただきました。私も、もう五、六年前になるんですけれども、実はイタリアの中小企業の視察に参りましたときに、中国の繊維に押されてイタリアの繊維産業が非常に大変だというときに、イタリアのコモ湖のところでしたか、地場の方たちが、もうデザイン力でしか勝負できないからイタリアはデザイン力でいくんだというふうにおっしゃって、小さな企業が集まって協同組合のようなものをつくってデザイン力の発信をしていたというのをちょっと思い出しましたんですけれども。
  日本が、そういう意味では、内需といっても年齢層のこれが動いていくこの状況の中で地域ブランドをつくっていくということで、そこで、地域ブランドづくりというのは国がどうこうするということはなかなか難しいだろうと思うんですが、国としてその地域の部分のブランドづくりですとか産業の育成を支援できる方法を、もし何かお考えがありましたら教えていただきたいと。
  それから、お二人の島田参考人と権田参考人には、それぞれ地域でまた頑張って、具体的な形で動いていらっしゃるということで。
  栄村についてはこの介護の部分ですね、げたばきのヘルパーと。今、寝たきりの方が比較的少ないと、元気な高齢者が多いということでしたけれども、この先を考えていったときに、介護の今度は従事者、この方たちの推移がどうなっていくのか、今お考えになっているところがあればというふうに思います。
  それからもう一点、小川の庄の部分、権田参考人にお伺いしたいと思います。
  明らかにこれは村の皆さんでの総合的な力でやってこられた、まさに行政が主軸ではなくてということの良さ悪さがあったのかなというふうに思いますので、もしそこの部分、何か考えておられることがあればお伺いしたいなというふうに思います。

○参考人(藻谷浩介君/株式会社日本政策投資銀行地域振興部参事役) 御質問、ありがとうございます。
  先ほどは時間を大きく取って、大変失礼しました。
  具体的な例を伺う方がずっと面白いんですが、やはり今おっしゃったような具体的な話ですね、イタリアの話を今おっしゃっていただきました。資料からは割愛したんですが、日本が世界中のほとんどの国から貿易黒字を稼いで資源国に今払っていますけど、それ以外のほとんどの国から日本製品が売れまして黒字を稼いでおったわけなんですが、というか引き続き恐らく稼ぐと思いますけれども、中国その他アジアから大幅に黒字を稼ぎ、アメリカから稼ぐ中で、フランスとイタリアとスイス、デンマークに対して日本が黒字を貢いでおりました。恐らくこれは今後とも変わらないと思いますが。
  実は、そのイタリアがまさに日本にやられて、車なんかでは押されまくっているんですが、フェラーリでは輸出し返すと。いろんな安い繊維では、それから高機能繊維でも日本に負けるんですが、デザイン力のある繊維製品で日本に勝つと、皮革工芸で勝つということが現実に起きていて、一国の国際収支ですら地産地消によってイタリアが勝っているという現実がございます。
  これは日本でも必ず起きるであろうと。というのは、日本はそもそもデザイン力だけは江戸時代から非常に高かった国でございますので、まさにジャパン・デザインがヨーロッパを席巻したわけでございます。そういうことが再び起きるであろうと。
  ただ、一つ残念なのは、東京からは起きないんじゃないかと私は思っております。なぜかというと、東京は花鳥風月がない町なので、星一つ、月一つちゃんと見えないところなんですね。こういうところに、私、現実に田舎育ちで、東京へ出てきてからずっと住んでいて思うんですが、本当に感性が損なわれてまいります。やはり日本風のしっとりとしたところからしか出てこないと。まさに日本海側の気候からたくさん出てくるということだと思うんですが。
  それに対して、国ができることとして既に実はやっていることがたくさんあります。基本的には、彼らの持っている可能性を気付いて磨くということが地元では大体できないことが多くて、そういうことを助けるコンサルティングのようなことですね。そしてさらに、それがある程度できるようになると、今のまさに小川の庄で出てきましたが、海外に販路が拡大できて、国の富を増すというところまで本来行くわけであります。
  輸出ということになりますと、ローカルなものには極めてハードルが高い。まさに製品を成り立たせて国内で売るためのまずコンサルティング、そして、まだ例は少ないんですが、輸出のためのコンサル。今の場合、県のブースをお借りになったということですが、本当はそれだけじゃなくて、こうやったら売れるんですよということをできるコンサルティングがあるといいわけです。
  国には実は制度がございまして、中小企業庁を中心にかなり支援メニューがあるんですが、これが機能しているケースとしていないケースがあるんですが、それは、国が機能していないんではなくて、実際にやるコンサルタントに能力があるかないかによります。
  これは厳しい話なんですが、よく広告代理店、旅行代理店、大手商社出身の方を入れるんですが、これに非常に個人差がありまして、基本的には広告代理店、旅行代理店、大手商社の出身の方にはこれはできません。彼らは大量生産品を安く売ることしかできないからです。
  したがって、ローカルなものを売れと言われたときに、一番最初に、安定供給しなさいと、通年でないと駄目ですという指導をします。実際は、北海道の「じゃがポックル」という土産物が通年で売れるようになった瞬間に売上げが下がったという話がありますが、今しかないということが非常に売る大きなキーであるにもかかわらず、日本の大量生産、大量販売やってきた人たちは、毎日そこにないと扱わないという話なんです。
  今遠慮しておっしゃらなかったけど、セブンイレブンに出るのをやめたというお話の恐らく根底には、安定供給をするのかしないのかという決断があって、素材がそれぞれ季節で取れるものが違うものを安定供給するべきではないという恐らく御決断をされたと思うんです。
  つまり、大手の原理とは全く違う原理がありますので、実は、小川の庄のようなところで現実に事業を立ち上げて、かつ、それを輸出されているような、そこで成功された方をコンサルにしてほかの地域に持っていかないと機能しないんです。
  そこのところはまだこれからですが、これからこういう成功例のある方が出てこられる中でやる。今、国の制度では、そういう人を使っているケースと、実は大手をやっていて全然とんちんかんなことを地方で言って歩いている人が交ざっています。ただ、これは国の責任というよりは、現状、人材がいないのでそれはどうしてもしようがないということです。
  もう一つだけ申し上げますと、国にやはりできることとして、優れた事例、こういう方向が正しい、すばらしいよということを褒めるということがあります。いろんな何とか百選ですとか何とか九十選とかそういうのでやっていらっしゃるんですが、これは良しあしもあるんですが、基本的にはいい事例を褒めている場合は大変に効果があります。
  ただ、どうしても役所が毎年単年度事業でやり続けると余り大したことない事例を褒めてしまって、勘違いされるというケースが出てまいります。それで、しかも、東京に座っている分にはどれがいい事例か分かりません。東京で聞こえてくる話は、宣伝がうまいだけで内実がない事例もたくさん伴っております。また、変に顕彰をされたことでおかしくなってしまって、後でセクハラ起こされて辞めたり、そういうケースも出てきます。
  これは、程々にしつつ、しかしやはり、こういうふうな方向が優れていると。つまり、大企業とは全然違うやり方で輸出までできて外貨も稼げるんですよと。地域のお年寄りが元気になって、もうどんどん非常に福祉費用が下がるんですよと、長野県は日本で一番低いわけですけれども。そういうふうなことを国がどんどん言っていくというだけでも大変に地方においては効果がある。
  このような参考人質疑にこういう方々をお呼びになるだけでも実は効果があるんだろうと。私は、評論家みたいな話で申し訳ないんですが、横で見ていて本当にそう思うわけであります。
  失礼しました。

○参考人(島田茂樹君/長野県栄村長) 確かに今高齢化率が四五%ですけれども、昨年、長野大学の大野晃という先生がおられまして、日本で初めて限界集落という言葉を使った先生ですけれども、二〇三五年に全国でたしか百十四だかが五〇%以上になるという話をされまして、長野県では天龍村と栄村と言われたんですけれども、私は自分で推計すると、二〇三〇年にもう五〇%になる、超えるかなという感じであります。
  これはもう確実になると思うんですけれども、大野先生はもう十五年も前にそういう数字を出したんで、それからずっともう変わってきていますから。そうなると、あとまだ二十年あるといえば二十年あるんですけれども、五〇%以上に確実になっていくわけですけれども。
  私どものげたばきヘルパーの、そこに年齢別人数もありますが、この方たちが二十足すとみんなすごく年になっちゃうわけで、今のところ従事者の推移といいますか、それについて特にどうしたらいいかという考えはありませんが。
  先ほど言った、栄村にも、民設民営ですけれども平成十九年に七十床の養護ができたんですが、特養ができたんですが、今待機が、うちのこの北信広域と言いますけれども、三百人ぐらいまだおりまして、これなかなか入れないというふうなことでもう一つ造るかなというような話もありまして、そこへ入ればそこでみんな見ていただけますから、村が特にあれしなくてもいいんですけれども、年寄りが増えるのはちょっと頭の痛い、幾ら達者でも大変なんですけれども、ちょっと従事者をどうこうという今考えはありません、済みませんが。

○参考人(権田辰夫君/株式会社小川の庄代表取締役) 私たちは先ほど言いましたとおり変則的な第三セクターということで、皆様の手元にこんなカタログが行っているかと思います。このカタログ一つ作るのに、通常はここに大体若い女性のモデルさんか何かを載っけてというのがごく一般的なお話だと私は思います。中には村の観光地等を載せて、そのためにお客さんを誘致しようという考え方が今日本全国のどこの村もそんなことをやられていると思います。我が小川村も同じことをしております。
  私はそれを見たときに、うちは絶対あんなカタログは作らないと、そういうふうに固く心に決めたことがございます。なぜならば、ああいう若い娘がその村にはいないからです。私は、あれは本当にうそみたいな話でありまして、私がもし写真を載っけろと言われたら、おじいちゃん、おばあちゃんの仲の良さそうな御夫婦、そんなものをこのカタログに載っけたら、もっと皆さんがカタログを見てほほ笑んでくれるんじゃないかと思います。
  そんなものが私は行政と私たち一般企業の違いではないかと、これは本当に大まかなことで申し訳ございませんが、そんなふうに感じております。

○会長(田名部匡省君/民主党・新緑風会・国民新・日本) よろしいですか。

○相原久美子君 終わります。