171-参-予算委員会-10号 平成21年03月10日

平成二十一年三月十日(火曜日)
    午前十時二分開会
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   本日の会議に付した案件
○公聴会開会承認要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
○平成二十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
  院送付)
○平成二十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
  院送付)
○平成二十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
  衆議院送付)
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○相原久美子君 関連して質問をさせていただきます。民主党・新緑風会・国民新・日本の相原久美子でございます。
  まず、厚生労働省にお伺いしたいと思います。
  先週末の新聞各紙にも一部掲載されておりましたが、全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽ管掌の健康保険に関して質問したいと思います。
  協会けんぽというのは、中小企業の従業員など約三千六百万人が加入している健康保険であります。健康保険法の改正で、国から切り離した公法人として二〇〇八年十月に設立されたと記憶しております。現在、全国一律の保険料は八・二%、これが二〇〇九年の九月から都道府県単位に保険料率を設定することになります。
  そこで、健康保険法では、協会の設立後五年間は緩和措置を講ずるとされておりますけれども、この激変緩和措置に関する検討状況についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(水田邦雄君/厚生労働省保険局長) お答えいたします。
  全国健康保険協会の都道府県単位保険料率についてのお尋ねでございますが、この料率の設定に際しましては、御指摘のとおり協会の設立後五年間激変緩和措置を講ずることとされております。現在、政省令によって二十一年度におきます激変緩和措置の枠組みを定めようとしているところでございます。
  具体的な手続でございますが、激変緩和措置の検討の状況についてでございますけれども、全国健康保険協会の都道府県支部評議会座長等との意見交換会での御意見、それから労使の代表及び学識経験者の三者から成る協会本部の運営委員会における御意見、さらに与党における御議論を踏まえて検討を進めてきたところでございまして、現在、関係の政省令案のパブリックコメントを実施しているところでございます。
  また、この激変緩和措置によります都道府県支部ごとの保険料率の引上げ・引下げ幅につきましては、初年度は当初は五分の一、五か年でございますので五分の一にすることを基本に考えておりましたけれども、導入時におきましては慎重な対応が適当という御意見も多かったことを踏まえまして、現在この調整の幅を十分の一にすることとして作業を進めているところでございます。

○相原久美子君 協会けんぽが全国統一の料率から都道府県別の料率に変更する、この目的というのは、書いてありますところを読みますと、被保険者、加入者本位の保険者機能を発揮して、適切で効果的な医療サービスを提供するとなっております。
  しかし、現状では、医療費水準の地域間格差というのが相当数ございまして、例えば私の出身であります北海道、ここは保険料率結構高いわけです。地域に病院が不足している。ですから、かなり相当の距離を移動して他市町村での診療を受けているというような状況があります。
  ですから、このような医療提供体制の整備状況の格差というのは、協会けんぽの努力だけではなかなか結果を出せるものではないと思っております。地域医療の充実に向けて、国、地方自治団体、それから協会けんぽ、それぞれ努力する必要があるのではないかと思っておりますが、この取組について協会はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
  都道府県単位保険料率につきましては、負担の公平を図る観点から、各地域におきます所得水準あるいは年齢構成等の違いを調整した上で、都道府県ごとに地域の医療費を反映した保険料率を定めることとしてございます。これによりまして、現に多くの医療を受けている地域におきましては、それが保険料率に反映されることになるわけでございます。
  で、この地域の医療費、これは地域の医療提供体制との相関が大きいわけでございますが、その整備は医療計画等を通じまして都道府県が中心になって行っておりまして、医療費適正化の推進のためには都道府県の取組が不可欠と、このような認識でございます。
  そこで、健康保険協会といたしましては、先ほど保険者機能を発揮するというお言葉ございましたけれども、まず地域の実情を踏まえた保健事業、ヘルス事業でありますとか後発医薬品の使用促進など、そういった自らできる努力をするということとともに、都道府県の医療施策に対しても地域の保険者協議会などを通じまして意見、提言等を積極的に行っていくものと承知してございます。
  なお、厚生労働省といたしましても、都道府県の医療費適正化計画を踏まえて全国医療費適正化計画を作成するとともに、協会に即して申しますと、去る一月二十日に開催されました全国厚生労働関係部局長会議におきまして、協会支部から都道府県に連携、協力の依頼や意見がある場合にはよろしく対応してほしいと、こういった依頼を行ったところでございます。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  地域医療を充実するというのはなかなか地方自治体だけでも難しい、それから協会けんぽだけでも難しい。国、地方自治体、そして協会というようなところの連携という形で努力が必要だろうというふうに思っております。
  ただ、その際、受けられるサービス水準が大きく違っているということは、私は被保険者としてやはり適正なものではないのではないか、元々医療保険の持っている相互扶助という性格、これからいいますと、スタート時点では格差を付けるべきではないのではないかというふうに思います。また、今御説明いただきましたけれども、協会けんぽの各支部、それぞれ努力をした、そういう結果はまた反映されるような仕組みを取っていただければと思いますし、なおかつ、激変緩和措置が終了するとき、このときには、医療費の提供体制ですとか地域性の違いについても何らかの客観的な基準を設けて、国の責任において調整を可能にすべきだと思いますけれども、厚生労働大臣にお伺いしたいなと思います。

○国務大臣(舛添要一君/自由民主党 厚生労働大臣) 私も北海道に大変縁がありますし、家族含めて何度も北海道のお医者さんにはお世話になっていますので、非常に先進的な取組をおやりになっている面もありまして、私は非常に実は北海道の医療体制のいい面は評価をしております。
  その中で、今回、この保険料率を各県ごとの協会けんぽでやるときにどうするか。北海道、一番厳しいんですね。それで、五分の一、いや、しかしそれでも厳しいんじゃないかというので、やはりもう十分の一という形でやろうという方向で、まだ正式に決めていませんが、そういう方向で今作業をしている、これは先ほど保険局長がお答えしたとおりでございます。ただ、そこから先、今、相原先生おっしゃったその激変緩和措置が終了するときにどういう形で国でスタンダードを決めるかというのは、これは実は非常に厳しい、難しい問題だと思いますけれども、一つはやはり各地域の医療体制が万全でないといけないと、これは医師の確保を含めて、こういうことは総合的にやっていきたいというふうに思っています。
  それで、今、例えば後期高齢者の医療制度の改革の話にしてもそうなんですけれども、世界の大きな流れとして、介護は市町村に、医療は都道府県にというような流れになっていますので、この協会けんぽの都道府県単位での運営というのも一つの合理性はあるというふうに思っています。ただ、今医療提供体制の多寡、多い少ないによって負担をどうするかというのは、これは極めてやっぱり様々な方面から議論をしないといけないと思っていますので、取りあえず十分の一という形で激変緩和をして、その間に北海道を含めてよく地域、一番北海道が高いわけですから、それを見た上で、今委員がおっしゃったようなことを取り入れる形にするかどうか、それは今後の検討課題としてしっかりととどめておきたいというふうに思いますので、また今後とも意見交換できればと思っております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  私は、別に北海道だけということではなくて、激変緩和をなるだけ本当にしていただかなければ、それぞれ中小企業の従業員の方たちも今厳しい状況にあるということを、お考えをお聞きいただきたいということでございますので、よろしくお願いいたします。
  それでは次に、さきの補正予算で犬塚議員が、そして先日は岩永議員が、公契約における建築、建設の部分についての委託について金子大臣より御答弁をいただいておりましたが、私は、いわゆる地方自治体の労務提供型の委託について関係のところにお伺いしたいなと思います。
  先日、ある雑誌に官製ワーキングプア特集というのがありまして、その中に、いわゆる委託先で賃金の未払があるとか、それから委託先、これはもう中途解約で業務を破棄してしまったとか、それから競争入札の結果委託が受けられなかったこの事業者が従業員を全員解雇したというような悲惨な事実が記載してございました。いずれも事業体の問題ではなくて、やはり価格競争の結果であろうかなというふうに思います。
  それで、委託料が適正なものであったかどうか、これについて、公共サービスの委託に当たって人件費の積算根拠があるのかどうか、総務省にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(久元喜造君/総務省自治行政局長) 地方公共団体が業務を委託する場合には、これ原則として入札によることになりますが、この場合の予定価格の設定に当たりましては、これは委員御指摘のこの労務集約型の契約は、これは人件費がメーンになろうかと思います。こういうものにつきましては、地域における労務費の状況等を踏まえながら、それぞれの地方公共団体において適正に定められるべきものと考えておりまして、総務省として何かこの積算根拠を定めているということはございません。

○相原久美子君 そこが問題でして、それぞれの自治体がというところが、結果的にはこの労務提供型のところで最低制限がないがためにという状況が生まれているんだろうと思います。
  まず、資料を御覧いただければと思います。
  これは、ビルメンテナンス協会というところが出しているものでございます。最近、比較的上昇している状況ではございますけれども、いわゆる官の委託と民間の委託では圧倒的に官の委託料が低いという状況にございます。そして、この業務の約七割というのはいわゆる一般清掃業務でございまして、庁舎の清掃等々なわけですね。そうしますと、この委託費というのはそのまま賃金に反映されていくことになってしまうわけです。できれば委託契約のときには適正な賃金を設定して、安定雇用を保障する必要があると思っております。
  また、サービス水準の確保から見た場合です。各自治体での委託というのは、多くは競争入札になっております。もちろん随意契約が大きな利権を絡むということなど弊害があるということも実際に指摘されておりますけれども、現行のように安ければよい式のいわゆる価格競争契約というのは、さきに説明したとおりに、賃金の低下、雇用の不安定も招くばかりではなく、ふじみ野市でのプール事故、このように安全がないがしろにされてしまったり、先日、首都圏を中心に保育所、学童保育などを担っていた事業者が突然撤退するというようなことで事業の安定性が保障されないなど、公共サービスを受ける住民にも大きな影響を及ぼすことになるだろうと思いますけれども、これについて、総務大臣、いかがお考えでしょうか。

○国務大臣(鳩山邦夫君/自由民主党 総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)) 相原先生には前にも質問をお受けしたことがありますが、先生がいつも非常に人に優しいという、そういうお気持ちから質問をされることに対しては、心からいつも敬意を表しております。
  今の先生の御指摘も、言うならば、確かに入札というのは非常に難しい問題があって、刑法にも談合罪があるわけですから、談合されて高い金を支払わされては困りますけれども、今のような経済状況の中で、例えばゼロ円で入札してでも取りたい、実績つくりたいというような形でいわゆるダンピングに走るということがありますと、時に人の安全とかあるいは子供の命の安全とか、そうしたことまで影響を受ける可能性があるわけでございまして、結局、ダンピングしてでも受注しようというような気風が高まりますと、実際には適切な契約内容の履行が保障されない、あるいは自治体からの住民に対する行政サービスの質が確保されないというようなことが起きるわけでございます。しかも、さらに下請があればその下請の皆さんへの厳しい、何というんでしょうか、条件の押し付けとか労働条件の悪化等を招くことがございますから、そういった意味でダンピング合戦にならないように十分に注意していく必要があると認識いたしております。

○相原久美子君 ありがとうございます。優しいお言葉をいただきまして、私も、それじゃこれから心して人の立場に立った質問をしていきたいというふうに思います。
  次に、厚生労働省にお伺いしたいと思います。
  ILOの九十四号条約、公契約における労働条項に関する条約の説明を求めたいと思います。

○政府参考人(金子順一君/厚生労働省労働基準局長) お答え申し上げます。
  ILOの九十四号条約でございますが、これは一九四九年、昭和二十四年でございますが、そのILO総会において採択された条約でございます。当時の各国の経済社会情勢の下におきまして、言わば公共事業に従事する労働者の労働条件を確保することが全体の国内の労働者の労働条件の向上につながるだろうと、こういう認識の下で採択をされたというように承知をしているところでございます。
  具体的な内容でございますが、これは公共事業、この条約におきましては、公共機関が発注する建築工事でございますとか各種のサービスの提供、こういったものが対象になるわけでございますが、これに従事する労働者につきまして、その労働者の働きます地域のあるいは産業の同種の労働者の労働条件、賃金とか労働時間ということでございますが、これに劣らないようにするということをこの公契約において決めていただくということを求めることが主たる内容となっております。
  条約におきましては、これに加えまして、これを遵守しない受注業者に対しましては、契約の手控えでございますとか適当な制裁を加えなければならないということも規定をされているところでございます。
  以上でございます。

○相原久美子君 御説明いただきました条約、私は、非常に地域の方たちにとって、先ほど懸念されていた部分の問題についても払拭されるという思いで、是非とも批准をしていただきたいなと思うわけですけれども、今、日本は批准をしておりません。ここの批准ができていないというのは、何か法的な部分とかいろいろ問題があるのでしょうか。そのできない理由というのを説明していただきたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) 相原委員、一番の問題は、基本的に民間の賃金は労使の間で法定労働条件に従って労働基準法を守りながら決めてもらうということが基本なんですね。
  ただ、ある一定の水準に規制を課すという今のILO九十四号条約ですと、労使が自由に決定するというのと規制するという、これの調和をどうするかというのが一番難しい問題になりますので。ですから、たしかフランスやイタリアは批准していますけれども、ドイツもカナダも日本も、そしてたしかイギリスはいったん批准してまた後で破棄しています。それは、そういうことの整合性が取れないという御判断が各国にあったと思います。
  ただ、むしろこれはILOの九十四号条約云々の問題というより、むしろ国や自治体が発注する公共事業とか公共サービス、この契約内容自体を関係省庁、自治体においてどう考えるのかという、むしろ公共事業の在り方の方の問題からアプローチしないと、ILO条約との整合性だけだと少し問題解決難しいかなという、そういう感じがしておりますけれども。だから、私のお答え今申し上げましたが、労使双方の自主性と規制ということの調整が難しいということがお答えですが、本質的な問題は公共事業、公共サービスの在り方にあるのではないかと考えております。

○相原久美子君 多分そういうことなんだろうと思うんですけれども、であるなら、仮に批准ができないとしてこのダンピングというのをどういう形で解消していくのかと。決して私はダンピングそのものすべて駄目だと言っているわけではございませんけれども、いわゆる労務提供型については、先ほど来言っておりますような形でかなりの影響が出ているということも含めてお話をしているわけです。
  それで、次の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、これもたまたま先ほどのいわゆるビルメンテナンスの部分のものでございます。ここの中で示されておりますように、最低制限価格制度を導入してほしいというのが六四・三%、それから、問題なのですけれども、経費に見合った予算の確保、これも五八・四%、それから長期継続契約の適用、これが五七・六%というようになっているわけです。ですから、このような状況を改善するために何らかの方策を取るべきではないか。
  例えば、次のところにもまたお示しいたしました、これはアメリカのオバマ大統領令、これは後ほどちょっとお読みいただければと思いますけれども、例えば、先ほど言っていましたようにイギリスはいったん条約批准してまたちょっと戻ったと言いますけれども、少なくてもイギリスにおいては、公共サービスの委託とかそれから民営化による業務移転というのは雇用の保障と権利の保護をうたった規則がございます。TUPEと申しますよね。そして、なおかつアメリカにおいてはこのオバマ大統領令、今回、本当に私は画期的だなというふうに思っておりますけれども、雇用継続に関する部分が発せられたわけです。
  そして、さらにアメリカの各州、これは全州とは申しませんけれども、相当数のところでは、自治体が委託して自治体が関与する仕事、その仕事にかかわっている業者というのは雇用を優先的に考えるべきだということで、その担い手の方たちの生活を守るという観点から生活賃金条例というものが適用されております。いわゆる日本で恐らく批准できないと言われた国内法、労働基準法とかいろいろな最低賃金法とかなんとかの絡みだろうと思いますけれども、ここは、最低賃金法というのはいわゆる貧困ラインなのだということで、公が発注するもの、公の関与に関しては少なくても生活できる賃金を保障するのだというような形で進んでおります。
  これらのことを参考にしまして、日本においても労働者の雇用保障、そして適正な賃金水準の確保などを図るべきだと思います。先ほど総務大臣からもその旨の御発言はございましたけれども、自治体によって官による買いたたきというものが進んでいるこの現状の中で、いま一度是非とも御決意のほどをお願いしたいと思います。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど事務方の方から最初の相原先生の御質問に対して、総務省としては、各地方公共団体が事業を委託する際の人件費の積算根拠等は定めていないということを御答弁いたしました。それは、地方によってそれぞれ事情があるからということなんだろうと思っております。
  しかし、今の相原先生の御質問の中で、じゃ、その事業をアウトソーシング、市場化テストなどという言葉もありますが、労務提供型の事業を民間に委託した場合に、どんな値段でもいいのかということになりますと、それこそ賃金が幾らか、生活できないような賃金があり得るのではないかということになりますので、そうした点については、これは舛添厚労大臣の方の分野でございますから今後またいろいろ御検討していただくことになると思いますが、私から申し上げられますのは、総務省として今地方公共団体に要請をいたしておりますのは、いわゆるダンピングにならないようにしてほしいと。
  それは、先ほど先生がおっしゃった、まず最低制限価格制度ですか。例えば予定価格が一千万であったとする、その場合、最低制限価格を八百万円として、これもう当然隠しておくわけでしょうけれども、この八百万円以下のものは失格として、八百万円より上で提示した価格の中で一番安いものが落札するという仕組みだろうと思います。それから低入札価格調査制度というのがございます。もう先生御承知だと思いますが、例えば予定価格が一千万だとして低入札価格調査基準価格というのを定めるとします。例えば八百五十万とします。そうすると、八百五十万よりも下で、ダンピングではありませんが、低い価格で応札をしてきた人たちを個別に調べて、きちんと賃金を払えるのか、きちんと行政サービスできるのかというのを調べて落札者を決めるという、そういう二つの仕組みがございますので、そうしたことを活用してくれということを要請はいたしているところでございます。
  また、技術的能力など価格以外の要素も総合的に評価して、最も評価が高いものを落札者として決定する総合評価方式の導入ということもダンピングの防止には有効な方策であるというふうに認識いたしておりますけれども、この総合評価方式というのは下手をするとかんぽの宿みたいなことになるわけですね。実は入札なのか何なのか、話し合っていろいろ聞いてみたら、こっちはちゃんとするとかちゃんとしないといって、結局出来レース、出来レースになってしまいますから、総合評価制度というのは、ダンピング防止には有効に使えればいいんですけれども、下手するとかんぽの宿の二の舞ということで難しい問題出てまいりますから、やっぱり私が今地方自治体にお願いしているのは、低入札価格調査制度と最低制限価格制度ということに現状はなっております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  いずれにしても、民民の契約の場合はなかなか介入ということはできないでしょうけれども、公のものについて委託をするということに対して少なからずやはり基準というものがなければならないと思っておりますので、是非とも今後ともよろしくお願いしたいと思います。
  次に、介護労働関係についてお伺いしたいと思います。
  介護にかかわります有資格者、いわゆる介護福祉士、ホームヘルパー、ケアマネジャー等々について、人数を把握しておりましたらこれについて報告をいただきたいと思いますし、実労働者数についても報告をいただければと思います。

○政府参考人(宮島俊彦君/厚生労働省老健局長) 資格取得者数についてですが、まず介護福祉士の数は資格取得者は七十三万、ホームヘルパーは二百八十八万、ケアマネジャーは四十六万でございます。これに対して実労働、介護現場で働いている労働者数は、介護福祉士三十万、ホームヘルパー三十一万、ケアマネジャーが十二万ということでございます。

○相原久美子君 若干時間が、ちょっと私の予測が狂いましたものですから、厚生労働大臣、ちょっと間を飛ばしながらの御質問になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
  今言われましたように、少なからず有資格者は相当数いる、にもかかわらず現場では人材が不足しているという状況が報告されております。
  そこで、いわゆる介護労働者の処遇改善のためにということを銘打ちまして、四月から介護報酬三%プラス改定、これを含めまして、昨年の十月の首相官邸のホームページ、ここには、生活対策、国民の経済対策の概要としまして、介護報酬月額二万円アップ、介護人材十万人確保というものが載っておりました。また、当初、舛添大臣は、自動的に賃上げにいくわけではありませんけれども、平均して言えば二万円くらいは上がり、そして十万人くらいは増やせるだろうというもくろみですと、これは二〇〇八年の十一月、参議院の決算委員会で御発言がなされておりました。
  それで、私は、地域の方たちのところと、それから平均賃金等々を計算してみましたけれども、仮にこれ純増二万円でも、大体年間二十四万円ということになりますと、厚生労働省の平成十九年度の賃金構造基本統計調査、これを私は基にしたんですけれども、ホームヘルパーそれから福祉施設介護員、そういう方たちの今の平均収入でプラスしても三百万円にもなるかならないかなんですよ。
  ところが、最近ですと、この月額二万円プラスということすらも聞こえなくなってしまった。なぜこういうことになったんでしょうか。そして、担当大臣としては恐らく、私、月額二万円上げてやりたいというきっと思いはあったのだと思うんですけれども、現実に今回の改定というのはどういう形で改善されていくんでしょうか、お伺いいたします。

○国務大臣(舛添要一君) 今、相原委員の方が私の発言を引用してくださって、自動的に三%全部賃上げに上がるとすれば二万円と。それで、二万円そして十万人と、こういう方向ですが、今細かい調査をやっておりまして、御承知のように賃金体系が、事業所に行くものですから、それがそのまま賃上げにつながらない。過去いろんな赤字がたまっているのを解消したりすると、そうすると事業所によってはそこまで行かないケースも出てくると思います。
  もう、昨日でしたか、申し上げましたけれども、二つ問題ありまして、一つは財源をどうするかということでありますので、非常に難しい議論の中で三%を補正で手当てをしました。それから、先に保険料で基本的に上げるものですから、保険料を余り上げない形でその手当てをするという、これを今後どう考えるかということで、それ一般財源から持ってくればまた別な話です。それから、十万人については、これは維持していきたいというふうに思っています。ただ、やはり非常に現状がそれでも厳しいというのは私は同感なので、更に何か追加ができるかというのは今後検討課題だというふうに考えています。
  それともう一つは、例えば介護・医療分野の中だけを見ても、保育士さんとの比較でどうだとか、それはもちろん看護師さんはずっと上ですけれども、そういうことも含めて総合的に勘案しないといけないんですが、極めて深刻な問題であるという問題意識を共有させていただいて、今後努力をしていきたいと思っております。

○相原久美子君 是非、実効性のある部分で検討いただきたいんですね。確かに、保険料を上げていくということになりますと、もちろん被保険者にもかかわってくることではありますけれども、これは制度として社会的介護ということでできた制度です。ところが、今、別な新たな問題がまた惹起しています。担い手がいないと保険料負担をしても給付が受けられない、こんな現実がありますので、是非とも前向きな検討をお願いしたいなと思います。
  最後になります。財務大臣にお伺いしたいと思います。
  今回、介護報酬が三%アップするに伴いまして、介護保険料については、保険料アップを抑えるために一定の経過措置が置かれています。利用料について、これは上限が据え置かれたために負担軽減措置がなされていないんです。利用者の費用負担を軽減するために何らかの税制面からの見直しが必要ではないかという思いです。
  確定申告をする際の医療費控除、これについては医療費に関する自己負担分が対象となります。もちろん、介護の保険制度の部分の介護費についても、医療にかかわる部分ですとか施設に入っている部分等々は対象にはなっているんですけれども、今いわゆる高齢者、年金生活者は少しでも支出を抑えなければという状況になっております。制度として、是非とも介護費、これの税控除について検討いただければと思うんですが、よろしくお願いいたします。

○国務大臣(与謝野馨君/自由民主党 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)) 医療費控除は、医療費が偶発的な支出であり、これにより担税力が減殺されることをしんしゃくして設けられた実額控除制度でございます。したがいまして、介護費用のうち医療関係のものについては、これまでも医療費控除の対象としているところでございます。
  他方、その他の介護費用については、経常的に発生する生計費的な側面もあり、介護費用の一般について医療費と同様の取扱いをすることについては問題があると考えております。
  御指摘のように、介護費用のうち介護保険制度における自己負担分に限って所得控除の対象とすることは、他の介護費用の取扱いとの関係をどのように整理するかという課題がございまして、所得税の根幹である担税力の評価にかかわることから、税制抜本改革の際に所得税全体の見直しの中で検討すべき課題であると考えております。

○相原久美子君 是非とも検討いただきたいなと思います。
  実は私、少子高齢化・共生社会調査会で報告を受けました学者の方の調査ですと、いわゆる今、年金収入のみという高齢者世帯が相当数いるわけです。そして、本当にこの方たちにとっては、住民税等々の高齢者控除等々も段階的廃止というような状況になったりしておりまして、一円でも支出を抑えたい、このような思いが強いと思いますので、是非とも前向きに検討いただければと思います。
  終わります。