174-参-環境委員会-2号 平成22年03月16日

平成二十二年三月十六日(火曜日)
    午前十時開会
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   本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
  (環境行政の基本施策に関する件)
  (公害等調整委員会の業務等に関する件)
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○相原久美子君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の相原久美子でございます。
  私たちは、この地球上で空気ですとか水ですとか動植物の様々な恩恵を被って生活を営んでおります。ただ、昨今は本当に大型被害が多くて、それの回復に相当大きなコストを掛け、それでもなおかつなかなか回復ができないという状況にあります。こういうことを憂慮いたしまして、やはり地球全体を考えていくということから、環境問題、大きなやはり転機に来ているのではないか、そんな観点から大臣に対して質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  まずは、地球温暖化問題についてでございます。
  二〇五〇年八〇%削減を達成するために中期目標の二五%削減というのは、私は、やはり段階論としては当然の数字かなというように思っております。ただ、問題は、どのような条件を付けようとも、やはり国としての約束でございますから、それをしっかりと履行していかなければならない。
  そういう観点から考えますと、実は、京都議定書のこの目標六%削減、今年は中間年に当たるわけでございます。数日前の新聞に出ておりました、世界的な経済の低迷で、企業のやはり生産活動の低下ということもあってどうやら目標が達成できるのではないか、こんな事態はある意味では歓迎すべきものではございません。その意味では、現状と見通しでございますね、それについて大臣としてお考えがあればお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小沢鋭仁君/民主党・無所属クラブ 環境大臣) おはようございます。今日は六時間と、こういう審議でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
  今、相原委員からお尋ねがありました件でございますが、二〇〇八年度の温室効果ガスの総排出量の速報値は十二億八千六百万トンで、京都議定書の基準年比、一九九〇年比に比較して一・九%上回っているわけでございますが、二〇〇七年度比では六・二%の減少と、こういうふうな数値でございます。これに森林吸収量の確保や海外クレジットの取得を順調に進め国内対策を着実に進めることにより、京都議定書の目標達成は可能であると私どもは思っております。
  具体的なところを若干申し上げさせていただきますと、森林経営による吸収量確保の目標ということで、これは基準年排出量の約三・八%、それから政府としてのクレジット取得の目標ということで基準年排出量の約一・六%、さらには電気事業連合会が二〇〇八年度に国の管理口座に無償で移転したクレジットが約五・〇%と、こういうことでございまして、その今申し上げた三点を合計すると一〇・四%になるわけでありますが、二〇〇八年度排出量の基準年比の値から差し引きますと一・九%上回っていたわけでございますので、そこから今申し上げた一〇・四%を引くとマイナス八・五%と、こういう数字になるわけでございます。京都議定書の目標は六%マイナスでございますので、今のその状況では十分達成が可能というふうに思っています。しかし、今後、景気の回復等で温室効果ガスの排出量が増加することも当然考えられるわけでありますから、気を緩めることなく対策を着実に実施してまいりたいと、こう思っておるところでございます。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  まずは京都議定書を確実に達成していく、その思いで是非よろしくお願いしたいなと思います。もちろん私どももしっかりと協力をしてまいりたいなと思います。
  さて、家庭部門の削減を図る、それから産業界にも貢献する手だてということで様々この間考えられてまいりました。省エネ製品への買換え、そして住宅の改修等々でポイントを付ける、もちろん私、それは否定はいたしません。ただ、何としても今国民生活の実態が非常に厳しい実態にあるということで、これを加速させていく点からも金融機関からの融資拡大、その点で何かインセンティブのあるようなものが考えられないかな、それを是非PRをしていっていただきたいなという思いでお伺いしたいと思いますが。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員御指摘のいわゆる環境金融の取組というのは私も大変重要な課題だと、こう思っております。若干個人的な話を申し上げますと、私自身は金融機関の出身なものですから、そういった意味におきましても環境ファイナンスということはかねてからささやかな研究もしてきたところでございまして、まさに委員の御指摘、本当に私としても全く同感でございます。
  具体的にはどうしたらいいかということでございますが、現在、環境省の中では環境と金融に関する専門委員会という委員会をつくらしていただいて、鋭意検討さしていただいているところでございます。その中でも、少なくても今まで取り組んだものに関しましては第一次補正、第二次補正において、いわゆる利子補給の制度とかそういったものをやってまいりました。
  さらにはまた、先般、金融機関の皆さん方に環境省にお集まりをいただきまして、私も直接、金融機関の皆さん方への環境金融に対する取組の要請を行ったところでございます。そういった議論の中で、各金融機関の皆さん方も、もう既にかなり積極的に取り組んでいただいておるところがよく分かりまして、例えば滋賀銀行は企業の環境保全への取組について格付を行って、その評価に応じて環境対策への融資について金利優遇を行う環境格付融資の取組を例えば先駆的に行っていただいておりますし、様々なそういった取組が行われているところでございます。
  私としては、一千四百兆円あるという個人金融資産を、どうせその資金を使うならば、まさに日本の環境問題を解決していくのに適したようなそういったところに使っていただきたい、そういったところに誘導をしていくようなまさに政策を今後もしっかり取りたいと、こう思っているところでございます。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  実は、前回、環境委員会のメンバーで滋賀へお邪魔をいたしましたときに、滋賀銀行のお話なども聞きました。是非ともこういう取組が広がっていっていただければ、より一層やはり促進されるのかなという思いでございます。
  地球温暖化基本法が閣議決定されました。法案をめぐりまして様々な意見が出されております。産業界というのは、今グローバル化した市場競争の中でいろいろな努力を求められています。そして、国民の負担についても取りざたをされています。そんな状況の中で、大臣の所信表明の言葉じりをとらえるようで非常に申し訳ないのですが、所信の中に、国民、産業界に一定の我慢をと。これは強いること、もちろん強いることはあってはならないとは思います。ただ、やはりこのような状況に来ておりまして、なおかつ八〇%削減がいずれは来るという状況の中でございますから、何としてもやはりここの我慢ということをちゅうちょしてはならないと思うんですね。ですから、そこをどうやって理解していただくかということがある意味では政府の役割なのではないかと。その点をどういう形でこれから求めていかれるのか、もし所見があればお伺いしたいと思いますが。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 私は、所信の中で、鳩山内閣の環境政策というのは国民の皆さんにいわゆる我慢を強いたり、あるいは産業界の皆さん方に生産の縮小を求めると、そういった話ではなくて、もっとプラスに考えてもらって、生活面でまさに快適、安全、安心な社会をつくっていく、そして産業界の皆さん方もいわゆる環境という、今まで価格と違う新たなもう一つの競争条件を環境という形でとらえていただければ、日本の環境技術というのは優秀でありますから、そういった意味でそれはコストではなくて逆にチャンスだ、そういうふうにも考えられるのではないかと、そういう点を強調させていただきました。
  委員からは、そういった点は分かるけれども、若干のやっぱりそれは国民の皆さんに求めるべきは求めた方がいいのではないかと、こういう御指摘だと思いますが、もちろんそういったところもあろうかと思います。今後のロードマップの議論の中ではそれもお示しをしながら、私の言葉で言うと深化するロードマップと、国民の皆さん、経済界の皆さんの意見を取り入れて、最終的にはロードマップを仕上げていきたいと、こう思っておるんですが、そういう中ではそういった面もあるかもしれません。
  例えば、既にチャレンジ25の中で出させていただいている話でいいますと、いわゆる公共交通機関を是非使ってくださいと、こういう話もお願いしているわけですけれども、そういった意味では、自分の自家用車でぱっと動くんではなくて公共交通機関を使うという意味では、若干のある意味では利便性に対しては我慢というところもあるのかもしれません。あるいはまた、自転車を使ってくださいと、こういう言い方もしているわけでありますが、それも確かにそういった面はあるのかもしれません。
  ただ同時に、自転車ということでいえばそれは環境にもいいわけですし、物は考えようでございまして、そういった一定のお願いは今後もしていくかもしれませんが、少なくても私が今、今というか先般言いたかったことは、環境政策というと、どうしても我慢を強いたり、みんなでとにかく我慢して地球環境のためにやろうよと、こういう話がどうも先行しがちなのかなと、こう思ったものですからそういう話も申し上げたわけでありまして、そこは、私としてはそういう話だけではないんですよという意味を強調させていただいたということでございます。
  いずれにしても、今後のそのロードマップの中で国民の皆さんとの対話を含めて大いに議論をさせていただきたいと、こう思っておるところでございます。

○相原久美子君 その意味では、公共交通機関、これがまた地方ではほとんどもう廃止になったりなんだりという状況がございますので、是非とも関連の省庁それから地方自治体と、これは環境の意味からもしっかりとやはり考えていく、そういうようなリーダーシップも取っていただきたいなと思います。
  続きまして、生物多様性についてお伺いしたいと思います。
  今年の十月、名古屋におきましていわゆるCOP10と言われています生物多様性条約第十回の締結国会議が開催されると、日本はホスト国となるわけです。話によりますと、百九十か国ぐらいから、国際機関ですとかオブザーバーなど一万人ぐらいが参加されるということでございます。
  私も、実は先日なんですが、この生物多様性条約事務局長アフメッド・ジョグラフ氏、この方からお話を伺いましたものですから、この点から少し御質問させていただきたいと思います。
  一つ、条約事務局長のお話の中でありました、欧州環境庁の調査で、六六%の国民がまだまだ理解が不足しているというお話でした。私なんかにすると、えっ、EUの国でという思いなんですが、それじゃ翻って日本はというふうに見ますと、日本は一体どうなのかなと。私自身も、地方へ行ったときに、実はこんな会議があるのよ、何、生物多様性ってというように聞かれることが多いんです。実際に私もこういう仕事をしていなければ、恐らく無理解だったのではないかというように思います。
  そのような大きな国際会議を日本でされる、ホスト国として国民の理解と機運をどのように盛り上げていくのかというのは、やはり環境省としては大きな課題なのではないかと思いますので、その辺についてお伺いできればと思います。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 生物多様性に入る前に、先生今おっしゃっていただいた地方での公共交通のと、こういうお話がありました。一点だけそれに触れさせていただきたいと思います。
  今回の温暖化対策で私がいつも申し上げておりますのは、日々の暮らし、我々個人の日々の暮らし、それから地方の取組、それから物づくりの世界と、こう大きく三つに分けて申し上げさせていただいておりまして、地方の取組というのが我が国の場合はまだまだ不十分ではなかったかと、こう思っております。物づくりの方は、かなりそれぞれの産業界頑張っていただいて、大変エネルギー効率もいいそれぞれの産業の状態になっておるわけでありますが、地方全体で、じゃ一体どういうふうに取り組んでいるかといいますと、なかなかこれはまだ不十分だと、こう思っておりまして。
  例えば、いつも申し上げるんですが、COP15が行われたコペンハーゲンの町で私は驚いたのは、コペンハーゲンの町は九八%がいわゆる地域暖房システムでカバーされているんですね。デンマーク全体でも七割の国土が地域暖房システムでカバーされています。その地域暖房システムというのは、パイプラインを通してあって、そこにいわゆる温熱を通していく、各家庭ではもちろん暖房の器具なんというのはなくて、そこにいわゆる接続をすることが義務化されていると、こういう話の中で、いわゆるスイッチを押せばというか蛇口をひねればというか、とにかくスタートさせれば自動的に暖かい暖気が入ってくると。その地域暖房システムはほとんど化石燃料が使われていない。工場廃熱、いわゆる廃棄物の処理の廃熱、あるいは風力エネルギーと、こういうことでありますので。でありますから、幾ら暖房を使ってもCO2が発生しないと、そういう仕組みを地域全体で持っているわけですね。ですから、そういったものをやはり日本も持った方がいいと、こう思っています。
  日本でも、地域暖房の仕組みは、例えば東京の丸の内とか一部のところではあるわけでありますけれども、なかなかそれが地域全体、面として広がっていっていないと、こういう話もあるものですから、そういったところをチャレンジ25の地域対策プロジェクトと、こういうことで、今地域にも呼びかけながら地域全体でやっていこうと、こう思っているところであります。
  来年は統一地方選がございます。恐らく、来年の統一地方選のころは、各地域がこの環境の問題をどう取り組んでいくかという話が大変大きなテーマになって戦われるのではないかなと。逆に言うと、戦ってもらいたいというふうに思っているところでございます。若干補足をさせていただきました。
  それから、今のお話の生物多様性でございます。本当にまだなかなか知名度、浸透度が良くありません。我が国でも、認知度に関しては三六%程度ということでありますけれども、これは聞いたことがあるという答えが三六%でありまして、中身についてどこまで理解が進んでいるかというと、一割にも満たないのではないかというふうに私どもも今認識をしております。
  そういう中で、まさに委員が御指摘の国民の気運を盛り上げていく話が大変重要だと思っておりまして、第一に私やらせていただいたのは、この生物多様性という言葉自体がなかなかいわゆる漢字がずっと続いていてなじみづらいと、こういうことであります。でありますので、その言葉はきちっとした正式な用語でありますからもちろん使っていくわけでありますが、同時にサブタイトルとして私は地球生きもの会議という名前を付けさせていただいて、今、生物多様性の条約国会議のところには地球生きもの会議という形で付けさせていただいたところでございます。
  さらにはまた、地球いきもの応援団ということで著名人の皆様方に入っていただいて、養老孟司先生とか、さかなクンとかイルカさんなど現在二十六名の皆さん方に加わっていただいて、いろんなイベントを既に行い、またこれからもしていきたいと、こう思っております。
  そしてまた、生物多様性の委員会、地球生きもの委員会ということで、これは経済界、地方公共団体、NGO、有識者など各界の皆さんから成る地球生きもの委員会という委員会もつくらせていただいて、各地域での、あるいはまた会社での活動をより一層重点的に展開していきたいと思っています。
  いずれにしても、確かにこの気運を盛り上げていくという話は極めて重要な課題だと思っておりますので、積極的に取り組んでまいります。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  公共交通機関のことにつきまして、それから地域暖房、これにつきましては各地方自治体との連携がやはり一番大事なのだろうと思っておりますので、その意味でもしっかりと進めていっていただければ、私どもも本当にその恩恵もあずかれるかなというところもありますし、国民理解に届くのではないかと思います。
  それから、今の点でございます。やはり条約とか法案をどんなに確立していきましても、やはり国民理解という根底がなければそれがやはり守られていかないという点でございますので、是非ともその意味で、今なさっている様々な取組更に進めていっていただきまして、十月には本当に国民全体が生物多様性をしっかりと考えられるような状況をつくり上げていっていただければと思います。
  次に、この生物多様性に関する取組でございますけれども、実は様々な話を聞いてまいりましても、やはりこの取組、一番最初に始められたというのは、決して行政ではなくて、NPO、NGOの皆さんであったなと。それが様々な地域で、ちいちゃな取組から始められているなというように思われますが、今後につきましてもこの保全活動等々は、やはりこの市民活動、NPO、NGOの力というものが大きな役割を果たしてくるのではないかというように思うんですが、その点につきまして、政府として今後このNPO、NGO等々の市民活動との連携についてはどう考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(小沢鋭仁君) NPO、NGOの皆さんとの連携は極めて重要と政府としても認識をしているところでございまして、今後も連携協働作業を進めてまいりたいと、こう思っております。
  今まででいいますと、昨年二月、NPO、NGO始め行政機関、事業者、学術組織、国際機関等の各分野間で情報共有や意見交換、連携を促進し、COP10の円滑な実施に資するために、COP10円卓会議というものを設置して、これまで四回の会合を開催してきたところでございます。こういった会合を通じ、さらにはまた各地域の皆さん方と積極的に協議をする場面を持ちたいと、こう思っております。
  先般も、先週の土曜日でありますけれども、香川県に参りまして、環境省とそれからいわゆる国民の対話集会という形で開かせていただきました。約百名を超える皆さん方が出てきていただいて、香川県で開いた会合でありますが、質問に立っていただいた人は岡山から来ましたという方とか奈良から来ましたとか、そういう皆さんたちが結構いらっしゃって活発な意見交換をさせていただいたんですが、そういったところに行くと、地域でNGO、NPOの皆さんが本当に地に足が付いた形で頑張っていただいているなというのがよく分かるわけでありまして、そういった皆さんとの連携も十分にやっていけるように工夫をして進めてまいりたいと思います。

○相原久美子君 これは今のお答えの中にも通じることだと思うんですけれども、実はCOP10でSATOYAMAイニシアティブを世界に発信するというようになっております。
  私は、自然公園法の改正のときにも実は質問したのですが、こういう管理、保存ということというのは非常に人的な体制というのが必要になるかと思うんですね。今翻って、こうやって世界に発信するというようなことを考えたときに、今のそれじゃ日本の里山の現状ということはどうなのかなと。発信するにしては余りにも今の日本の里山自体がお粗末ではないかなと私は思っているんです。
  その点ではNPO、NGO等々の活動もそうですけれども、やはり人的な体制、それから財政的な支援というものが必要ではないか。そして、日本がやはり里山、今まで失われてきたものを何としてもこれを取り戻して、それを発信していくとすれば、その反省の意味に立っても日本の里山というものをまずしっかりさせていく、そんな点を少し御所見をいただければと思うんですが。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 実は今朝、生物多様性国家戦略二〇一〇という国家戦略を閣議決定をさせていただきました。その中でもこの里山の問題も書かせていただいておりまして、いわゆる自然に対する人間の働きかけが減少することにより生物多様性の面でも深刻な危機にあると、そういう書き方をしてございまして、生物多様性の第二の危機という位置付けをさせていただいているところでございます。
  委員も御指摘のとおり、里山というのは人間と自然が共に解け合って生きていくような、まさに自然環境とともに生きていく、そういった地域だと思っているわけでありますけれども、そういったところが我が国においても大変やっぱり心配な状態にあるということは私どもの認識でございます。
  国土の約四割を占める里地里山を適切に保全管理していくために、各地域において農林業に携わる方々に加えて、都市住民や企業など多様な主体がかかわっていく仕組みづくり、そういったものを考えていくことが必要かなと、こう思っているところでございます。

○相原久美子君 是非ともその観点で、やはり日本の里山を守ってそれを発信していく、そんな戦略を持っていただければなと思います。
  生物多様性について最後の質問になるんですが、今回のCOP10でホスト国としてまとめ上げるべき大きな課題というのが幾つかあるのだろうと思いますが、その点について大臣の方からお話しいただきたいと思うんですが。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 二点あると思っています。もちろん多くの論点があるわけでありますが、その中でも特に私は二点を重要な論点と、こう思っておりまして、一点目は、ポスト二〇一〇年の目標、それから二点目はABSに関する国際的枠組みの決定と、こういうふうに私としては認識をしているところでございます。
  ポスト二〇一〇年の目標に関しましては、もう委員も御案内のとおり、二〇一〇年までの目標を総括をして今年が新たな目標を設定する、そういった年になっているわけでありまして、そういった意味においては、我が国としてはその目標を既に条約事務局の方に提案をしておりますが、恐らく五月くらいでしょうか、条約事務局の方から案も出てまいって、そういったものを中心に議論が進んでいくものと、こう思います。
  それから、もう一点のABSに関しましては、これまたいろんな利害が錯綜をしているところでありますが、現実に様々な問題が生じておりますので、何とかこのABSに関するいわゆる国際的な枠組みを決めることができたらいいなと、こういうふうに思っておるところであります。これに関しては、決して楽観はしておりませんけれども、精いっぱい議長国として取り組みたいと、こう思っております。

○相原久美子君 COP15のときにも感じました、ホスト国というのはやはり大変な状況に置かれるなというのは、私ども遠いところから見聞きして本当に思っておりましたけれども、恐らくこの次の目標、それからABS、それぞれの国のやはり主張、思いがあって大変な状況になるだろうと思うのですが、何としてもやはりホスト国としてまとめ上げていっていただく努力はしていただかなきゃならない。だとすると、なおさらに、この十月ということではない、前段からの様々な各国との意見交換、交流等々が必要なのだろうと思いますので、大変な任務になるかと思いますけれども、是非ともよろしくお願いしたいなと思います。
  続きまして、私は余りニューディールとかなんとかという言葉というのは使いたくないんですが、いわゆる緑の雇用と言われる観点について若干お伺いしたいと思います。
  報道等々もそうですし、昨日辺りも景気の回復というのが少し見えてきたというような形が言われております。これはこれで明るい兆しが私は良かったと思うんですが、実はやはり雇用は相当まだ深刻な状態にございます。今年の新卒者にしましても、それからまさに中途退職者、この方たちについても、今や大変な状況にあることは間違いございません。その意味で、新成長戦略、これは二〇二〇年までとなっているんですけれども、環境分野で新規の雇用百四十万人というふうにうたっておるわけです。
  しかしながら、私なんかが考えるには、既存の産業分野において雇用拡大というのはやっぱり相当厳しいかなというように思っておりまして、新規産業も含めて現在考えられているような具体のものがございましたらお話しいただければと思うのですが。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 今委員からも御指摘をいただきましたが、昨年末、新成長戦略、輝きのある日本へという成長戦略の基本方針を定めさせていただきました。この新成長戦略の中身を若干御披露すると、「二〇二〇年までに五十兆円超の環境関連新規市場、百四十万人の環境分野の新規雇用、日本の民間ベースの技術を活かした世界の温室効果ガスの削減を十三億トン以上とすること」と、こういうことを環境の分野では決めさせていただいたところでございます。これを受けて今、国家戦略室を中心に、五月、六月を目途に、この中身の決定を今進めているところでございます。
  現在、環境省としては、大谷政務官が中心となりましてこの環境省の中にチームをつくってその対応をさせていただいているところでございます。具体的にどこの分野という話までは現時点では基本方針なので決めておりませんけれども、そこは近く決めますロードマップも含めて環境省としての案を出させていただきたいと、こう思っております。

○相原久美子君 二〇二〇年までの目標、それも結構なんですが、本当に今現実社会を見た上で、なるべく前倒しできるものについてはしっかりとやはり雇用創出の観点から取り組んでいただければなと思いますし、その具体を進めていっていただきたいと思います。
  最後になるんですが、実は私は、茨城県の神栖で不法投棄をされた旧日本軍の毒ガスによる被害に遭われた方たちの、ここの問題に今取り組んでおります。実際にこの被害に遭った状況の中で、環境省として様々な形で取り組んできていただいていることは承知はしております。ただ、これは残念ながら、どうしても時限的な形での対応になっているんですね。住民の方たち、被害者の方たちにとって常にやはりこの時限というのは不安が付きまとうという状況だろうと思います。伺いまして、確かに刑事責任を問わなければならないそういうところもございますので、それはそれとしてきちっと対応をしていっていただきたい。
  ただ、少なくとも国民の安心、安全というものを私たちは担保しなければならない。だとすると、この被害者の方たちの恒久的な救済、ここについてしっかりと努力をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(小沢鋭仁君) 神栖における有機砒素化合物による環境汚染に起因すると考えられる健康被害が生じている問題は極めて深刻で重要な問題と、こう認識をしております。
  今お話がありましたように、環境省では、平成十五年六月の閣議了解に基づいて健康調査の実施や医療費及び療養に要する費用を支給し治療を促す取組を、地元の茨城県や神栖市と協力して進めているところでございます。これらの取組を通じて被害を受けた方々の状況把握に努めておりまして、今後とも、被害を受けられた方々の不安の解消を図り、被害を受けられた方々が心配をせずに治療を受けていただけるよう、地元自治体と一体となり真剣に取り組む所存でございます。
  委員が御指摘の一時的なものではない恒久的なものをと、こういう御指摘に関しましては、現在調査が継続している段階で恒久化という言葉をなかなか端的に申し上げることはできないものの、神栖の住民の方々の健康被害が続く限りこうした政府の支援は継続すべきだと、こういうふうに私は思っておりまして、精いっぱいやらせていただくつもりでございます。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  まさに政治主導が問われるそれぞれの問題があるかと思いますので、しっかりとそういう意味での政治主導を果たしていっていただければなと思います。
  最後になりますが、これだけ大きな地球規模の課題に取り組むという状況になりました環境省、伺いますと、人員も予算もなかなか厳しいという状況のようでございます。私どももしっかりと応援してまいりたいと思いますので、やはり地球あっての我々の人類社会、そういう思いでございますので、これからもしっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
  ありがとうございました。