179-参-沖縄及び北方問題に関す…-3号 平成23年10月28日

平成二十三年十月二十八日(金曜日)
    午前十時開会
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   本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
  調査
  (新たな沖縄振興に関する法律策定の進捗状況
  に関する件)
  (新たな駐留軍用地跡地利用に関する法律の在
  り方に関する件)
  (国際地理オリンピックの募集ポスター等にお
  ける北方領土の国籍表記に関する件)
  (北方四島における日露共同経済活動に関する
  件)
  (北方四島交流事業の在り方に関する件)
  (沖縄への一括交付金の制度設計に関する件)
  (普天間飛行場移設問題への今後の対応に関す
  る件)
  (北方領土問題への政府の取組姿勢に関する件
  )
  (泡瀬干潟の埋立事業に関する件)
  (沖縄県八重山地区の教科書採択問題に対する
  文部科学省の対応に関する件)
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○相原久美子君 おはようございます。民主党の相原久美子でございます。この特別委員会で発言をさせていただくのは初めてのことでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  まず最初に、沖縄関係についてお伺いをいたしたいと思います。
  沖縄の振興特別措置法ですが、期限切れが迫っております。新たに作成されます沖縄振興策については、さきの沖縄県から提案がありました新たな沖縄振興のための制度提言、そして新たな計画の基本的考え方、沖縄振興審議会の意見具申等々を踏まえて政府において検討が進められているかと思います。
  内容に入る前にお伺いいたします。
  聞くところによれば、今年の九月までには新たな特措法の案が検討される予定と聞いておりました。しかしながら、いまだに検討の基本方向しか示されていないのではないかと思います。税制上の問題、そして予算編成、また行政現場を抱えているものとして大変な大きな課題になるかと思います。何より来年三月の沖縄振興計画の期限切れを控えて沖縄県民の方たちの不安が増しているかと思いますので、作業の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(川端達夫君/民主党・無所属クラブ 総務大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・地域主権推進) ) おはようございます。よろしくお願いしたいと思います。
  委員御指摘のように、現行の沖振法は今年度末で期限切れを迎えます。来年度以降の新たな沖縄振興策については、沖縄県から提案をいただいておりますと同時に、沖縄振興審議会の意見具申等もいただいております。これらを踏まえまして、現在、沖縄の優位性を生かした民間主導の自立型経済の発展あるいは我が国及びアジア太平洋地域の発展に寄与する二十一世紀の万国津梁の形成等の観点を含めまして、新たな沖縄振興の検討の基本方針を取りまとめ、お示しをしたところでございます。
  現在、この基本方針に沿って、法制上及び税制・財政上の措置について関係各方面と協議しつつ鋭意検討を進めておりまして、予算、税制については年末の予算案策定に向けて引き続き調整を行っているところでありますと同時に、法的措置が必要なものについては平成二十四年の通常国会に法案を提出して年度末までに成立を期したいと思っております。

○相原久美子君 では、これからちょっと具体的なことにお伺いをしたいと思いますが、その前にこれまでの沖縄振興の成果を若干振り返ってみたいなと思います。
  教育施設の整備率、それとか県内総生産の伸び率、これは同期間の全国伸び率を大幅に上回っている状況にあります。このような数字を見まして、過去の沖縄振興策というのは一定の成果は上げてきていると私どもは評価できるのではないかと思っております。しかしながら、沖縄県の一人当たりの県民所得というのがこれは全国最低水準ということで、なかなか上がっていかない状況にあります。そして、完全失業率も全国最悪。特に問題なのは、若年層の失業率が全国平均を大幅に上回っているんです。一二・六%、これは本当に雇用問題が深刻であるということを示しているのだと思います。
  沖縄に限りませんけれども、特に沖縄振興を考える場合というのは、沖縄に住んでいる皆さんのニーズに合った施策を行わなければならないのではないか、その観点で、具体的なところで質問に入りたいと思います。
  沖縄科学技術大学院大学学園法に基づきまして、沖縄科学技術大学院大学の開学の準備が進められているかと思います。恩納村に自然科学系の世界最高水準の大学院大学を設置するということのようです。もちろん、国全体として研究水準を向上させていくというところは必要ですし、私も賛成いたします。沖縄の将来を考えた長期ビジョンだろうとは思います。
  しかしながら、先ほど申し上げましたように、若年層の失業率の高さ、こういうこと等々を考えていくと、当面、沖縄の振興ということになるのだろうかと、私は若干疑問を感じております。今必要とされているのは、この失業率の高さ、特に若年層を意識した雇用を創出することではないか、そのように思います。
  このためには、例えば、いろいろと政府側が説明されているようなコールセンター等々は伸び率が上がっているということなわけですけれども、これに加えて、IT関連の産業を集約的に立地していく、観光業の振興のために個別の政策をしっかりと打っていく、そういうことが必要なのではないかと思っておりまして、国として、沖縄県の提案を受けて、現在検討している産業振興策についてお伺いしたいと思います。

○副大臣(石田勝之君/民主党・無所属クラブ 内閣府副大臣) 相原委員にお答えをいたします。
  沖縄復帰、昭和四十四年、今年で三十九年を迎えるわけであります。その経過の中で、この振興計画による振興策は第四次を迎え、来年三月に委員おっしゃるとおり切れることになるわけであります。そして、平成十四年からは、主として民間主導の自立型経済ということでやってきたわけでありまして、委員おっしゃるとおり、一定の成果は上がってきたというふうに私どもも認識をいたしております。
  しかしながら、有効求人倍率とか、あるいは県民一人当たりの所得だとか、これは極めて厳しい状況にあるのはおっしゃるとおりであります。そういった中で、現在の沖縄振興法の下で自立型経済の構築を目指して重点的に振興する分野として、まず人、これは観光であります。それから物、これは物づくり。情報、IT。金、金融であります。人、物、金のこの四本柱を位置付けて、特区制度などの優遇措置を設けて、各種の産業振興の施策を実施してきたところであります。
  こうした産業振興の施策も相まって、観光、人については五百七十万人の観光客を呼び込むことができました。約五万人の雇用を支えるリーディング産業に成長もしてきたわけであります。特別自由貿易地域、いわゆる物については、三十社の立地と四百八十二人の雇用につながってまいりました。情報通信産業、情報については、二百十六社の立地と約二万人の雇用。金融業につきましては、金融関連含めてでありますが、金については十四社の立地と六百人の雇用につながってき、成果が見られてきたわけであります。産業振興を通じた雇用の創出及び企業の立地等に一定の効果があったものと認識されるわけであります。
  他方、おっしゃるとおり、若年者に対する職業訓練やあるいはミスマッチ対策など、求職者を雇用につなげる各種政策を講じてきたところでありますが、それがなかなかミスマッチでうまくいっていないというふうな現状でもあるわけであります。引き続き、求職者対策についても一層の努力を行う必要があろうかというふうに思っております。
  今後とも、雇用対策にも配慮しつつ、効果的な産業振興を実施するとともに、民間主導の自立型経済の発展に向けた沖縄振興策を取るように鋭意努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○相原久美子君 是非お願いいたします。
  長期的なビジョンも必要ですけれども、まず、長期、中期、短期、この短期が今一番求められている、そんな思いでございますので、是非しっかりと受け止めていただいて、沖縄の御意見、しっかりと受けていただければと思います。
  次に、子育て、人材育成、そういう点から少し質問をさせていただきます。
  産業振興と併せて重要であると思いますのは、医療ですとか福祉、教育などの公共サービスの充実だと思っております。沖縄県は、有り難いことに他県に比して出生率が非常に高いという状況にございます。しかしながら、この出生率の高さに比して、この子育ての受入れの機能が非常に脆弱です。例えて言えば、待機児童の多さ。待機児童の多いというのは、これは大都市の特徴でもあるわけですけれども、しかしながら沖縄は、逆に言えば全体的に待機児童が多いという、これまた特殊性がございます。そういう意味では、保育所の整備ですとか子育て施策の充実が求められているのではないかと思います。
  また、特に離島では医療従事者の確保が課題になっていると聞いております。まあこれは、医療問題は沖縄に限ったことではございません。私の出身である北海道も離島をたくさん抱えていて、やはり同じような課題として認識はしなきゃならないかとは思いますけれども、しかしながら、やはり地域のニーズに合う答えを出していくというのが、これは沖縄振興策の第一の目的ではないかと思っております。
  そういう意味で、私は、この子育ての環境整備、医療の整備というのは、ある意味、住民の皆さんのニーズにもこたえ、なおかつ雇用の創出にもつながるのではないかと、そのように思っておりますけれども、政府のお考えはいかがでございましょうか。

○副大臣(石田勝之君) 待機児童についてお答えをする前に、先ほど冒頭、沖縄本土復帰、私、昭和四十七年を昭和四十四年と言い間違えましたので、四十七年、三十九年たっているわけでありますから四十七年でございますので、議事録を訂正させていただきます。
  さて、議員御指摘の、沖縄特有の課題を解決図るために、必要なサービスを充実し、雇用の創出にもつなげていくべきとの考えは大切な観点であると思料いたしております。
  現在、沖縄県は、待機児童数二千二百九十五人、全国第三位ということでありまして、一番が東京の七千八百五十五人、二番が神奈川県の三千九十五人ということで、まあ人口比率からいったら極めて高いと、そういうふうに言えるわけでありまして、待機率というのが六・六%でありまして、これは全国一位ということであります。そして、離島の診療所、県立が十六か所、町村立が四か所ということでありまして、沖縄の特殊事情というものを考えても、非常に待機児童についても厳しい状況にあるというふうに思っております。
  内閣府においては、認可外保育施設の認可化による待機児童の解消に向けた取組や、離島やへき地診療所への医師派遣等、離島医療を安定的に確保するための取組を今推進をいたしておるところであります。雇用の創出という点では、認可外保育施設の認可化は、認可保育所の基準を満たすために必要な人員の雇用がなされるほか、保護者が安心して働ける環境づくりに資すると考えております。また、離島、へき地の医療体制の一層の充実を図ることは、生活環境の厳しいこれらの地域において安心して就労する条件整備につながると考えております。
  このような観点も踏まえまして、来年度、平成二十四年度概算要求では、子育て支援や離島の医療サービスを一層充実させるための経費を計上させていただいたところであります。今後も、雇用創出の観点に留意しつつ、子育てや医療等、沖縄特有の課題にも解決へ向け一層推進してまいりたいと考えております。

○相原久美子君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
  それでは、一括交付金についてお伺いしたいと思います。
  一括交付金、すなわち地域自主戦略交付金の制度というのは今年度予算から実施をされております。まだまだ今年度は継続事業の割合が高いわけですけれども、地域自治体の自由裁量は着実に拡大して、自治体の現場では地域の実態に合った仕事を地域に合う形で実行していくことが可能になるわけでして、一定の効果が出ると思います。
  沖縄振興においては、特にこの手法は有効であると考えます。沖縄からの地元の要望もあると伺っておりますが、どのような検討状況にあるのか、お聞かせいただければと思います。

○国務大臣(川端達夫君) 今年度から地域自主戦略交付金ということで五千億強の分をスタートさせました。沖縄においては沖縄自主戦略交付金ということで手当てをさせていただきました。御指摘のように、今までの継続事業がかなりの部分占めておりますけれども、新たな仕組みとしてスタートを切らせていただいた。
  全国ベースでいえば、いわゆる一括交付金の地域分をより拡充、増額し、市町村分に関しても手当てができるかどうかも前向きに検討しているところでありますけれども、沖縄担当大臣として、先ほど申し上げましたように、九月二十六日に沖縄政策協議会沖縄振興部会にお示しした新たな沖縄振興策の基本方針においては、この分野に関しましては、より自由度の高い沖縄の一括交付金を創設すること、具体的な制度設計については、予算編成過程において、全国ベースでの制度設計を踏まえ、国の責務としての沖縄振興の在り方を勘案しつつ検討することというふうにお示しをさせていただきました。
  また、先般閣議決定をいたしました来年度の概算要求基準におきましては、沖縄に関しましては、日本再生重点化措置の対象分野として三番目の地域活性化(新たな沖縄振興策を含む)という項目に加えて、その他の予算編成過程検討事項として、沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分踏まえ、予算編成過程において検討するというふうに明示をされました。具体的な制度設計、金額等についてはなお検討を要することから、概算要求段階ではこれを踏まえて制度創設についての要求、いわゆる事項要求とさせていただきました。
  いずれにしても、全国制度である地域自主戦略交付金に比べて更に深掘りをし、より自由度が高く使い勝手の良いものとなるように、予算編成過程において地元の御意見もよく伺いつつ、真摯に対応してまいる所存でございます。

○相原久美子君 是非地元の要望をしっかりと受け止めて、お願いいたします。
  時間がなくなりました。園田政務官にも御質問をお願いしていたんですが、申し訳ございません。
  最後になります。外務大臣にお伺いしたいと思います。
  私は出身が北海道でございます。北海道に限らないわけですけれども、この北方問題というのは北海道としてやはりしっかりと抱えていかなきゃならないというのは、元島民の皆様が北海道に多くいらっしゃるという点、更にやはり意識を持っていかなきゃならないなと思っています。
  それで、この元島民の方たちは相当高齢化してきております。ふるさとへの思いというのはますます強まっているのではないかと思います。もちろん、過去の政権からずっといろいろな形で四島交流も含めて努力はしてきていただきました。これは一朝一夕には解決しないまでも、両国間の信頼関係をいかにつくっていくかということに懸かっているかと思います。御決意のほどをよろしくお願いいたします。

○国務大臣(玄葉光一郎君/民主党・無所属クラブ 外務大臣) 今、相原委員からお話がありましたように、戦後六十六年たったわけです。元島民の方々も平均七十七歳ということで本当に御高齢になられていて、そのお気持ちを察すると、本当一日も早くという思いは募るばかりであります。
  今、四島交流という話がございました。自由訪問あるいは墓参、そういった形で言わば相互理解のための活動もしておりますけれども、そういったことも通じながら、おっしゃるとおり、首脳同士の信頼関係というのも非常に大事な話だというふうに思っています。粘り強く決意を持って対応していきたいというふうに考えております。

○相原久美子君 終わります。