180-参-沖縄及び北方問題に関す…-2号 平成24年03月16日

平成二十四年三月十六日(金曜日)
    午後零時十分開会
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   本日の会議に付した案件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
  調査
  (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件
  )
  (派遣委員の報告)
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○相原久美子君 先般行われました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。
  去る一月十七日から十九日までの三日間、沖縄県に赴き、同県の振興開発及び基地問題等に関する実情を調査してまいりました。派遣委員は、岸委員長、外山理事、島尻理事、木庭委員、江口委員、紙委員、山内委員、そして私、相原の八名です。
  今回の委員派遣では、本委員会において行われる沖縄振興及び跡地利用の新たな法制の審査に資することを念頭に置き、これに先駆けて、沖縄県を始め地元自治体や関連団体、企業等より概況説明を聴取するとともに、要望の把握と意見交換に努めたところであります。あわせて、米軍関係者との意見交換と普天間飛行場のほか関連施設の視察を行いました。
  以下、調査の概要につきまして御報告申し上げますが、詳細につきましては、本日お配りしている文書による報告書により御承知願いたいと存じます。
  初日は、まず、内閣府沖縄総合事務局、防衛省沖縄防衛局及び外務省沖縄事務所より沖縄振興の推進状況や米軍再編等につき概況説明を聴取した後、沖縄県庁を訪問し仲井眞知事から要望を聴取し意見交換を行いました。
  その後、軍用地主より組織されるいわゆる土地連の代表者、沖縄県経済団体会議、そして米軍基地を抱える中部市町村会から要望を聴取し意見交換を行いました。
  二日目は、まず、キャンプ瑞慶覧において、米海兵隊の第三海兵遠征軍司令官であり在沖縄米軍の四軍調整官であるケネス・グラック中将より同遠征軍の任務や兵力配置、東日本大震災の際の救援活動等について概況説明を聴取し、救援活動時の課題や普天間飛行場の移設問題、オスプレイ配備の経緯、米軍人等の不祥事防止の取組等について意見交換を行いました。続いて、普天間飛行場を視察し、改めて住宅や学校等の施設が密集する地域に近接している現状を肌身で実感するとともに、一刻も早い危険性除去の必要性を痛感しました。
  その後、北谷町のキャンプ桑江跡地利用の状況を庁舎屋上より視察し、不発弾や燃料タンク等の廃棄物の除去により整備事業や土地の使用収益の開始が大きく遅れている現状について説明を伺いました。
  続いて、北部市町村会と北部振興や普天間飛行場の移設問題等について意見交換を行った後、那覇市の母子生活支援センターさくらを訪問し、母子世帯の出現率が全国平均の約二倍と高い沖縄県の母子世帯の現状や同センターの運営状況などについて概況説明と要望を聴取しました。
  その後、那覇空港新貨物ターミナルに移動し、全日空が進める国際航空貨物ハブ事業を視察した後、宮古島に移り関係者との意見交換を行いました。宮古島の漁協関係者からは、資源豊富な漁場である尖閣諸島周辺海域の安全操業と安全航行の確保、避難港の整備、燃料費の支援などについて要望がありました。
  三日目は、まず、宮古島市及び多良間村より概況説明を聴取し意見交換を行った後、離島医療の現場である県立宮古病院を視察し、急患搬送の実情、離島における医師、看護師の確保の困難さなどの課題について要望を聴取しました。
  続いて、離島において太陽光発電設備を大量導入した場合の影響等を把握する宮古島メガソーラー実証研究設備を視察しました。
  その後、製糖工場を訪問し、宮古地域の製糖業やサトウキビ農家が抱える課題について説明を聴取しましたが、特に、TPPについては島の基幹産業であるサトウキビや畜産業が壊滅的な打撃を受け地域経済が崩壊しかねず交渉参加を阻止願いたいとの強い要望がありました。
  最後に那覇空港において記者会見を行い全ての日程を終了いたしました。
  今回の派遣を通じては、復帰以来、四十年に及ぶ様々な振興施策により社会資本も整備され就業者数も増加するなどの成果はあるものの、沖縄県は依然として厳しい社会・経済状況の中にあり、いまだ自立型経済の構築に向けて道半ばとの印象を強く抱きました。
  特に、これまでの振興策を通じても残る課題である農業、漁業など第一次産業の振興、離島の地元産業の育成と医療体制の充実、母子家庭の支援、新たな公共交通機関の確保等、県民生活に密着した豊かさを実現するための施策については、今後、力点を置くべき課題ではないかと実感いたしました。
  他方、アジアの中心に位置する沖縄の優位性と潜在力を活用するなどの取組も着実に進んでおり、今回視察した国際物流関連産業や再生エネルギー事業など、新たな振興の可能性についても知見を深めたところであります。
  こうした中で、沖縄振興一括交付金の活用策については期待が示され、仲井眞知事を始め多くの関係者から使途の自由度の高い制度を設計して産業振興や離島振興、子育て支援、普天間飛行場跡地の先行取得など沖縄の特殊事情を踏まえた施策の実現に資するよう要望がありましたが、同時に市町村からは県との配分調整の見通し等についての懸念の声も聞かれました。
  跡地利用については、沖縄県、関係市町村や軍用地主より、早期事業化のための返還前の基地内立入調査の実現や原状回復措置の徹底、給付金制度の改善等について要望がなされました。
  基地問題については、沖縄県や関係市町村より、普天間飛行場の県外移設と早期返還、その間の危険性の除去と騒音の軽減、日米地位協定の抜本的見直し、そして嘉手納以南の施設・区域の早期返還等について要望がなされました。
  本年は、沖縄の本土復帰四十周年の節目の年でありますが、今回の委員派遣の成果を踏まえ、次の十年に向けて沖縄がその特性を発揮し自立的、持続的な発展に取り組むべく、新たな振興法制等を始めとする方策について、当委員会におきまして十分議論を進め、国の諸施策に反映できるよう尽くしていくことが重要と考える次第です。
  報告を終わるに当たり、御協力をいただきました内閣府沖縄総合事務局を始め国の関係機関、沖縄県、県北部市町村及び中部市町村、宮古地域関係者、土地連、経済団体会議及び視察先の皆様に厚く御礼を申し上げます。
  なお、文書報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載されますよう、お取り計らいをいただきたいと存じます。
  以上でございます。