169-参-少子高齢化・共生社会に…-5号 平成20年04月16日

平成二十年四月十六日(水曜日)
    午後一時開会
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   本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○少子高齢化・共生社会に関する調査
  (「コミュニティの再生」のうち外国人労働者
  の社会保障)
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○相原久美子君 参考人の皆様、ありがとうございます。民主党の相原でございます。
  まず、石河参考人にお伺いしたいと思うんですが、この調査会でいろんな方たちにお話を伺いましたときに、やはり対応するのに様々な形でのいわゆるソーシャルワーカー的な形が必要だと。私は以前に、この調査会で医療通訳の部分を課題にしまして全国調査をちょっとさせていただいたんですが、法廷通訳はいてもなかなか医療通訳がいないとかということがあって、そうすると、医療通訳までいかなくても、いわゆる日常の相談ですとかそういう形で、ソーシャルワーカーと先ほどおっしゃっておりましたけれども、多文化に対するソーシャルワーカーがというふうに私も思ったんです。
  そこで、この日本の中で、先ほどからお話しされているんですが、学校の教育制度の中でこういうような人材を育てていくというような形が今後起こり得るのか、今そういう芽が幾つか出てきているのか、ちょっとお伺いしたいなと思います。

○参考人(石河久美子君/日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科教授 参考人) 具体的には学校の中で、そういう多文化スクールソーシャルワーカーみたいなものが実際に雇用されるという動きはまだ出てきておりません。しかし、私個人としましては、そういうソーシャルワーカーが非常に必要ではないかというふうに考えております。
  例えば、私も愛知県の今ソーシャルワーカーのスーパービジョンの指導をしている中で、やっぱり外国人が長期滞在をすることによって、私が例えば十年前にソーシャルワーカーをしていたときにはなかったような事例が出てきていまして、例えば語学相談員のような人がソーシャルワーカーを肩代わりしているんですね。先ほど申し上げましたように、移住労働者の、学校をドロップアウトしたダブルリミテッドの、十代の人たちがもう子供を産んでいて、そしてその子供が無国籍になっていたり、それから養育状況が非常に悪いわけですね。
  例えば、二十代前半のお母さんで子供がもう六人ぐらいいて、そしてお父さんは三人ぐらい違って、そういう子供が四、五人地域の学校に通っていて、非常に心ある語学相談員が、やっぱりこの家はちょっとおかしいんじゃないかということで、児童相談所に連携をしたりして多文化ソーシャルワーカー的な仕事をしているんですね。
  しかし、その人たちがやる仕事というのは、子供たちの語学支援が本業であって、ちょっとネグレクトになっているんじゃないかとか、そういう状況を見て学校に話をしたり、児童相談所につなげたりという仕事は本来の仕事ではないんですが、やらざるを得ない。しかし、そういう現場にソーシャルワーカーが入っていくともっと状況は変わっていくのではないかというふうに思います。
  こういうケースは非常に潜在的なケースで、実はもっとあるはずなのになかなか見えてきていない。日本の児童相談所はまだこういう問題について恐らく認識してなくて、このままほっておくと本当に外国人児童のネグレクトとかいろんな問題がもう出てきて、これは何とかしなきゃというふうに思う状況になってからでは遅いと思うので、そういった意味では、そういうケースにアウトリーチしていくためにもスクールソーシャルワーカー的な多文化ソーシャルワーカーは必要だというふうに考えています。
  ただ、学校に急にそういう人を設置しろといってもなかなか難しいと思うので、例えば先ほど、身分保障がされてきちんとした仕事になって、そしてその中で何人か雇用されるようになれば、例えばフィリピン系のケースですと、ドメスティック・バイオレンスとか夫婦関係の問題が多いんですけれども、ブラジル系のケースですと、そういう教育問題とか学校に来ていて家でかなり問題があるとか、だからそういう子供家族のスクールソーシャルワーカー的なことをするソーシャルワーカーと、夫婦関係とかDVとか女性問題をやるソーシャルワーカーとか、そういう細分化というものが必要になってくるのではないかと思いますけれども、まずはやはりお金が付いて身分保障がされるということが必要だと思います。
  愛知ではたまたまお金が付いてこういう研修ができて、ほかの都道府県からもいろいろ問い合わせが来ているようなんですが、やはりとてもこんなに愛知のようなお金は付けられないというふうに言ってできないところが非常に多いようなんですが、こういう人材育成をきちんとしないと、本当に予防的に今取りかかれば何とかなるような問題がもうどんどん大きくなってしまうなという危機感は感じていて、是非そういう人材育成にも財源を付けていただきたいというふうに考えております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  小林参考人にお伺いしたいのですが、先ほど言っていましたように、私もこの辺を歩いていてもそうですけれども、外国人がいることに違和感がないというぐらい本当にもう国際化してきている。この中で、医療機関のみというのはなかなか難しいだろうとは思うんですが、医療通訳者というのを育成するようなそういう機関というのは今あるのでしょうか。

○参考人(小林米幸君/医療法人社団小林国際クリニック院長・理事長特定非営利活動法人AMDA国際医療情報センター理事長 参考人) 多分、公的な機関はないと思います。過去に私どもの団体で、何年か前に何回か医療機関の先生方に集まっていただいて各専門科目のお話をしていただいたことはあります。
  ただ、ちょっとお答えにならないかもしれませんが、これ難しいお話は、医療用語ってやればやるほどもう限りがないんですね。例えば、皆さんも病院にいらっしゃってお医者さんからおうちの方の病状をお聞きしたときに難しい言葉使われると分からないと思うんです。通訳も分からないんですよ。
  ですから、私がいつも医療機関の先生方にこうやって通訳するというときにお願いするのは、いかに分かりやすい言葉で話してくださるかなんですね。分かりやすい、難しい単語を使わなくても、例えば胆のうと言わなくても、肝臓の下に袋があって、肝臓から出た液が入っていますとか言うと、これは簡単に通訳できるわけです。しかし、胆のうと言ってしまうと、胆のうという単語を知らない人は通訳できないんです。ですから、そういうノウハウを僕はいつも教えてさしあげるようにしていますけれども、そういうことの方が大事だなと思うときがあります。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  まさに、多分、原点なんだろうと思うんですね、通訳以前の、やはり我々が本当に分かるというのと。
  それから、もう一つ、最後になります、感想でございますけれども、先ほど小林参考人がおっしゃっておりましたように、やはり行政が考えなきゃならないのは、利用する側に立った、ですから、先ほど来私もあちこちの地方自治体参りますけれども、ああ、いろんな言語でいろんなものが最近置いてあるなと思うんですが、なかなかそれが御本人たち当事者の目に付いていないという場だなというふうなのは非常に感じまして、参考にさせていただきたいと思います。
  終わります。ありがとうございました。