169-参-内閣委員会-10号 平成20年04月24日

平成二十年四月二十四日(木曜日)
    午前十時開会
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   本日の会議に付した案件
○独立行政法人国民生活センター法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○消費者契約法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
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○委員長(岡田広君/自由民主党) ありがとうございました。
  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
  これより参考人に対する質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○相原久美子君 おはようございます。民主党の相原久美子でございます。
  今日は、国民生活センターの島野参考人、そして京都の野々山参考人、お二人においでいただきまして本当にありがとうございます。それで、幾つかということで御質問させていただきたいというふうに思います。
  先に国民生活センターの方にお伺いしたいと思います。
  実は、先日、私も民主党の一員といたしまして国民生活センターの方にお邪魔をさせていただきまして、いろいろと御説明をいただいたり、現場を見させていただきました。その上で、少し私自身も感じた、そしてこの状況を皆さんがどうとらえているのかという点で御質問させていただきたいというふうに思います。
  まず、平成十九年に実施されました第三十八回の国民生活動向調査、これによりますと、窓口に実際に相談を寄せた件数というのは全体の約四%にすぎないのではないかと、あとはなかなか相談に応じられていないのではないか、そういうふうな統計上の数字が出てきております。
  それで、実はこれは多分に相談に行かないでも済むというケースもあろうかとは思いますけれども、実は国民生活センターにお邪魔をさせていただいて感じましたし、それから各消費者生活センター、その情報も伺いますと、やはり人的な体制の不備というんですか、少なさ、これがどうしてもなかなか相談の対応ができないというケースになるのではないかというふうに思われるのですが、これについて国民生活センター側から率直なところの御意見をいただければというふうに思います。

○参考人(島野康君/独立行政法人国民生活センター理事) 先ほど冒頭に申し上げましたように、政府の方針でございまして、直接相談というのは、各地にいろんな消費生活センターがいっぱい、今五百か所もできたということですから、そういうところの中核的機能をしなさいということで、直接相談の窓口をやや制限したわけですね。あれを全部、相談の電話回線をいっぱい広げていればかなり多くの件数も来ると思いますけれども、そういった形で経由相談の方に力を入れてきたということですね。平成十一年度ではたったの六百七件が経由相談だったんですが、今は五千件を超えております。ということで、そちらの方にシフトしてきたというのが国民生活センターの、何といいますか、政府の方針に沿ってやってきたということですね。
  ただ、当初、消費生活センターに相談があるというのはそんな件数余り多く、先ほど申し上げましたように、十年前のもう三倍になっているわけですから、やや余裕があったときもあるわけですね。ところが、今は百万件を超えるということになると、もう相談員さんは忙しくて忙しくてというところで、やはりちょっと人数的にやや足らないとか、そういうところも見られるのではないかと。これはもう自治体の方ですと自治体の自治事務でありまして、これを何人にした方がいいとかというようなことは政府の方でも言えないと思いますけれども、これ、各自治体がもう少し消費者行政に力を入れていただければ有り難いなというのは先生おっしゃったように率直な感じはいたします。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  現場は政治に翻弄されているという部分もあるのかなというふうにお伺いいたしましたが。
  二点目でございますが、最前線で相談を担っている相談員さん、これは、先ほどもおっしゃっておりましたけれども、資格を有し、そして様々な法改正についても対処をしなければならない。そして、消費者相談そのものが多様化し悪質化してきているということのようです。しかし、この基幹的で本格的な業務であるここの相談員さんのところは、お伺いいたしますと非常勤職員だということでございますが、正規の職員ではなくて非常勤職員として配置している理由というのがありましたら、お伺いしたいと思います。

○参考人(島野康君) これは、当初、消費生活相談というのは余り、何といいますか、それこそ和解みたいなので合意をしてこれこれしましょうという、余り法律的な専門性をそれほど有したものではなかったような気がするんですね、当初、昭和四十三年に消費者保護基本法ができたとかそういったとき。そうすると、買物相談だとかあるいは品質に対してどうのこうのの相談ということで、いろんな社会的な知識を有した、主婦経験といいますか、そういう生活を重視したような方々といいますと、余り、常勤の方々だとなかなか難しかったような時期もありまして、元々はそういう方々が、あるいは地方ですと婦人団体の長とかそういう方がやられていたんで、非常勤というのが割合、十日ぐらいだったら行けますよみたいなのが元々だったんですね。
  ただ、今は、先生御指摘のように、もう法律が今現在、日本で施行されているのが千七百八十一本ぐらいあると思いますが、その中に、本来的消費者法とか機能的消費者法というとかなりありますね。そういうのをかなり勉強されて、法的にどういうふうに考えればいいんだとか、あるいは判例は今どういう状況にあるのかと、消費者法における司法の積極主義みたいなことを言われる先生もいますけれども、そういうことをいろいろいろいろ勉強しなくちゃいけないということで、非常勤でずっとそういう形でやっていくのがいいかどうかというのは今後いろんな形で検討されるべきことではないかなというふうには思います。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  時代の変遷とともに体制についても考えていかなければならない、そういう時期に来ているのかなというふうな思いがいたします。
  次に、野々山参考人にお伺いしたいと思います。
  昨今は本当に、昨年はやりました「偽」という字に表れているように、企業モラルが問われているのではないかというような消費者トラブルが多発しております。その意味で、広範な国民の生命、財産を守るという意味で皆さんが御活躍いただいているということに対して敬意を表したいというふうに思っておりますが。
  調べてみますと、今回の訴訟制度にかかわる部分では、適格消費者団体、この数が、調べてみますと少ない。先ほども御報告いただきました。それで、この適格消費者団体になるための認定ですね、ここで、私は当然として基準はあるべきだと思うんですけれども、何かこの適格消費者団体になるために認定の基準のところで皆さんがお考えになっている点がありましたら、お答えいただければと思いますが。

○参考人(野々山宏君/特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク理事長京都産業大学法科大学院教授) 認定基準は、活動実績あるいは予算とか、そういう体制の問題があるわけでありますけれども。
  一つは、私ども、なかなかきついなというのは活動実績の問題があります。なぜかといいますと、これらの適格消費者団体になる団体は一定の専門性を要するところがありますので、様々な団体が集まって、そして新しいネットワークを築いて、そこから認定の申請をしていくということがあるわけですね。そうしますと、そのネットワークをつくってから、今のところ二年の活動実績がないと認定をしてもらえないというのがあるわけです。それまでのそれぞれの団体の活動が十分評価されてこないという面があります。そういう意味では、団体が構成員となっているようなこういう新しいネットワーク組織、適格消費者団体を目指す団体については、その構成員となっている消費者団体の活動等も十分評価して認定をしていただきたいということであります。現在、兵庫県のネットワークが申請していますが、当初はもっと早く申請を出しましたけれども、その点が若干問題になって認定が遅れてきたということがあります。
  それからもう一つは、体制の問題であります。
  私どもは、特に私どもの当法人はそれほど多くない予算の中でボランティアで活動しておりますけれども、そういう活動について、やはり脆弱であるという評価が下りますと認定が下りないということになります。ですから、やはりそういうボランティアでやっていることも十分評価はしてもらっていると思いますけれども、その点の評価、体制の評価についても実際の活動を十分考慮してもらいたいというふうに思っております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  活動資金等々についてお伺いしようと思ったんですが、きちっと要望等々についても先ほど御説明いただきましたので、あと一点のみ。
  消費者生活相談を行っているという意味では、今こちらの方にいらっしゃいますように国民生活センター、それから全国各地の地方公共団体が設置しております消費者生活センター、こういうところがあるわけですけれども、皆さんの団体との連携というのはあるのでしょうか。

○参考人(野々山宏君) 具体的な連携というのは、定期的な懇談会等開いております。それから、情報提供等につきましては、各自治体のセンターとの間で協議をして、どのような情報を出してもらえるかということにつきましてお話をしております。それから、相談者の中には、こういう団体があるので情報提供をして消費者全体のために差止請求等について検討してもらったらというアドバイスをしてもらったりしていただいております。そういうことから当団体の方に情報提供していただいているということもあります。そういう形でも、ネットワークというか意見交換をさせていただいております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  時間ですので、私どもも、私たち自身も消費者でございますから、やはり消費者として皆さんの活動、これには本当に御期待を申し上げるのですが、ただ、それは皆さんの善意にだけということではなくて行政としてもしっかりかかわれる、そして我々も法律等々によるバックアップができるというような形で考えてまいりたいと思います。
  本日は本当にありがとうございました。

━━(中略)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○委員長(岡田広君) 独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び消費者契約法等の一部を改正する法律案、両案を一括して議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。本日はよろしくお願いいたします。
  まず、消費者契約法の改正案についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
  二〇〇四年に成立しました消費者基本法では、消費者の安全の確保、選択の機会の確保、そして情報の提供、政策に対する意見の反映と、本当に消費者にとってその被害が生じたときに適切かつ迅速な救済の権利が保障されるというものになりました。
  そして、この法案によりまして更なる強化が図られる消費者契約法、これは事業者と消費者との間にある情報の質及び量並びに交渉力の格差があるということにかんがみまして、消費者が消費者契約の取消しや消費者契約の条項の無効を主張できる場合を類型的に定めた法律であるというふうに思います。
  その上で、今回の消費者契約法改正案についてお伺いをしたいと思います。
  まず、一点目でございます。
  消費者契約法でも言われております消費者の自立支援へと移行する現在の消費者行政における改正案の位置付け、そして今後の消費者行政の方向性についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(岸田文雄君/自由民主党 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・規制改革・国民生活・科学技術政策)) ただいま委員から御指摘がありましたように、平成十六年に消費者保護基本法を改正しました消費者基本法、この中で消費者というもの、保護される対象から自立した存在、自立した主体というふうにとらえ直されまして、消費者の権利の尊重、そして消費者の自立の支援、こういったものが基本理念とされたところでございます。
  そして、その中に、この消費者団体に期待される役割といたしまして、消費者の被害の防止及び救済のための活動に努めるということが記されております。平成十八年に消費者契約法を改正する形で発足しました消費者団体訴訟制度は、今申し上げました消費者団体に期待される役割、これを踏まえた形でこの制度がスタートしたというふうに位置付けられると存じます。
  この消費者団体に期待される役割、消費者に支えられた消費者団体が不当な行為について差止請求権を行使することによって消費者の権利を尊重し、そして消費者の自立に資するということになると考えております。今回の改正はその消費者団体訴訟制度を更に拡大するということで、景表法及び特商法にも拡張していくということになっております。今御指摘の中でのこの今回の法改正の位置付けは、そういうことだというふうに思っています。
  将来に向けての消費者行政のありようについて御質問いただきましたが、大きな方向性としては、こうした法整備、あるいはこの制度の充実に努めなければいけないと思っていますが、あわせて、消費者行政の組織自体もいま一度見直す必要があるんではないか、こうした問題意識の下に消費者行政の一元化の議論も今進めているということでございます。

○相原久美子君 今、組織の見直しの点についてもお触れいただきました。今国会における福田総理の施政方針演説で、今年を生活者や消費者が主役となる社会へ向けたスタートの年と位置付けていらっしゃいました。そして、内閣の一員である大臣は、この言葉が意味するところ、多分に今お答えいただいた部分も含まれているかとは思いますけれども、どういうふうにとらえられているでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 消費者、生活者が主役となる社会のこの意味合いでありますが、明治以来、日本の行政組織というのは、生産者あるいはサービスの提供者を発想の基点にしてつくられてきたという歴史があるというふうに思っています。こうした産業振興官庁が中心に行政組織を形成してきたわけですが、そういった形の中でも消費者行政は大切だということで努力はしてきたわけですが、結果としまして、こうした産業振興官庁それぞれに消費者を担当する組織が分散するという形になってしまったということかと思います。ですから、消費者というのは、所管官庁の規制を通じて間接的に保護される存在ということになってしまっていたというふうに認識をしています。
  是非こうした体制の見直しを通じて、やっぱり消費者の役割、存在というものをもっと主役としてクローズアップして対応していく、そうした組織を考えなければいけないんではないか、これがこの意味の一つだと思っていますし、更に言いますと、今、消費者に対する考え方は、最近欧米諸国では随分と言われているようですが、消費者市民社会という考え方、要は消費者というものは、まずは経済合理性に基づいて行動する、節約をする、より経済合理性にかなった行動をする、こういったことが求められる、これは当然のことですが、それだけにとどまらずに、やはり消費者というものは、消費者行動を通じてエネルギー問題ですとか環境問題ですとか、さらには倫理問題とか、こうした大きなテーマについても消費者の立場からかかわっていく、役割を果たしていく、こういった考え方、消費者市民社会というふうに訳しているようですが、こういった考え方が欧米社会では随分と議論されているようであります。
  日本の消費者行政、消費者社会においても、こういった考え方もしっかり取り入れた上で、消費者に自立した存在としてしっかりとした役割を果たしていただきたい、こういった思いがこの生活者や消費者が主役となる社会という言葉に込められているんだというふうに認識をしております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  私自身はそこまでもなかなか思えなかったんですけれども、本当にしかりというふうに思っておりますので、是非今後についてもよろしくお願いしたいと思います。
  それで、適格消費者団体による損害賠償請求制度、これはそもそも二〇〇六年の改正時において幾つかの点が議論になっているかというふうに思います。衆議院及び参議院の内閣委員会における附帯決議に必要性の検討が盛り込まれていました。この損害賠償請求制度、本法案には導入されませんでした。
  また、二〇〇八年の三月四日、五つの適格消費者団体によりまして、本法案の改正に対して、消費者被害救済や事業者の不当利益剥奪の機能強化を求めるコメント等も出されていたわけですけれども、今回こたえられてないという観点からお伺いしたいと思います。
  消費者団体による損害賠償請求制度について、二〇〇六年の附帯決議、そして今回の適格消費者団体の要望にもかかわりませず、本法案に消費者団体による損害賠償請求制度が盛り込まれなかった理由についてお伺いしたいと思います。そしてまた、この制度導入に向けた検討状況についてもお伺いできればと思います。

○政府参考人(西達男君/内閣府国民生活局長) 先生御指摘のとおり、消費者団体による損害賠償請求制度につきましては、前回の消費者契約法改正の際の両院の附帯決議あるいは消費者団体からの要望、こういったものが出てきておることは承知をしております。今回の法改正は、同じく衆参の附帯決議にございました適格消費者団体制度を景表法とそれから特商法に導入すべきと、これについておこたえをしたものでございます。
  今回、損害賠償請求制度を内容としていないことにつきましては、この制度の導入に際しては、少額訴訟手続の適用範囲の拡大など司法アクセスの改善手法の展開状況、あるいは我が国において新しい制度であります消費者団体訴訟制度の社会への定着の度合いや実績、さらに適格消費者団体に対する社会の評価、こういったものを踏まえる必要があるというふうに考えておりますし、さらに法的な面でも、個々の消費者が有する請求権と適格消費者団体が有する請求権との関係でありますとか、それから損害賠償額の算定の方法、さらには適格消費者団体が取得した金額の個々の消費者への配分方法、こういった更に詰めなければならない問題点がございまして、我々としてはこれを更に検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。
  内閣府といたしましては、諸外国の制度も参考にしながらこうした検討を進めていきたいと思っておりますけれども、この進捗状況でございますけれども、まずはそういった諸外国への制度の状況について調査を開始をしておりまして、具体的には、外部の有識者に対しまして、ドイツやフランス、アメリカ等における消費者被害の金銭的な救済手法の動向について調査を委託して報告書をいただいたりしておりまして、こうした動向を踏まえながら更に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○相原久美子君 諸外国の調査をされているということですから検討は進んでいるんだろうというふうには思いますが、何よりも今悪質化してきているという状況の中で、逃げ得を許さないという観点から、本当に早急な形の検討をお願いしたいなというふうに思っております。
  それでは、次なんですが、消費者契約法の第四十条、独立行政法人国民センター及び地方公共団体は、当該適格消費者団体が差止請求権を適切に行使するために必要な限度において、消費生活相談に関する情報で内閣府令で定めるものを提供できるというふうになっております。消費者被害の拡大防止に迅速に対処するためにも、公正取引委員会、経済産業省が有する情報についても提供、交換の連携を図るべきと考えるのですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の消費者契約法第四十条ですが、国民生活センター及び地方公共団体から適格消費者団体に対する情報の提供について規定をしております。
  これにつきまして、いわゆるPIO―NET情報等の提供が行われているわけですが、これは適格消費者団体が差止請求をする際に大変有益なことだというふうに考えております。そして、それに加えて、他の行政機関が有する情報の提供ということにつきまして、今御質問いただきましたが、これにつきましては他の行政機関、行政処分等をすることもあり得るということで、性質上機密性が必要であるという場合もあるようではありますが、その辺は配慮しつつも、公正取引委員会とか経済産業省が適格消費者団体と情報交換あるいは意見交換を行うことですとか、専門的な見地に基づいて助言を与えるとか、こういったことは連携の方策としてこれ十分考えてもいいのではないかというふうに思っております。ですから、内閣府としましては、こうした情報の共有とか連携を進めていくように促していきたい、そのように思っています。

○相原久美子君 不当条項の推奨行為についてでございます。
  最近の新聞報道にもありましたように、訪問販売の事業者団体による過大な解約損料の設定の推奨、これは契約書のひな形があるようでございます。また、今日参考人の方にもお伺いいたしましたが、建物の賃貸借契約の原状回復条項等に見られるように、別の事業者が契約書を作成、提供、そういうような事案があるということです。それで、これによる被害が拡大しているという指摘がございます。今まさに京都の団体が一つ提訴しているという状況のようでございますが、このような実態からお伺いをしたいというふうに思います。
  過大な解約損料の設定等、不当条項の推奨行為について今回の改正法で差止請求の対象としなかった理由についてお伺いしたいと思います。私は、消費者被害の発生、拡大防止の観点から考えますと推奨行為についても差止請求の対象とすべきではないかと考えているのですが、いかがお考えでしょうか。

○政府参考人(西達男君) 先生御指摘の不当な契約条項に関してのモデルとかひな形となります契約書書式、こういったものを、あるいは約款、こういったものを推薦したり提案したりする行為、いわゆる推奨行為でございますけれども、これにつきましては、推奨の概念、要するに推奨の程度というのが非常に様々でございます。こうした概念が不明確なまま差止請求の対象とするということになりますと、事業者団体等による自主的なルール作りまで萎縮させてしまうおそれがあるのではないかということが懸念されますほか、推奨された不当な契約条項を使用する事業者に対しては差止請求は可能ということになりますし、それから、差止判決が出されれば、それを広くPRする、周知公表することによって事実上同じような契約条項が使用されなくなるのではないかと、そういうことが期待されるということを踏まえまして、前回の議論の際もそうでございますけれども、今回も差止請求の対象とするには至らなかったところでございます。
  ただし、この問題については、御指摘のとおり、前回の消費者契約法の改正の際のやはり同じく衆参の両院の附帯決議におきましても検討事項というふうにされておりますところでございますので、こうした制度のまた施行状況、実施状況を見ながら更に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○相原久美子君 附帯決議にも示された、そして被害が出ているということでございますので、是非とも検討をお願いしたいというふうに思います。
  二〇〇六年の消費者契約法の一部改正案の質疑におきまして、内閣委員会の今の理事でもあります芝先生の質問の中で、消費者被害の防止に向けあらゆる策を講じていくことが必要なのではないか、こういうような指摘をさせていただきましたところ、当時の猪口担当大臣は、消費者団体訴訟制度の導入により、消費者被害の発生や拡大の防止が期待されているとしまして、本制度が社会に円滑に定着し、法の目的が着実に実現されるように努力していくと答弁なされました。
  そこで、お伺いをしたいと思います。昨年六月からスタートいたしました消費者団体訴訟制度の活用状況及び同制度の国民の認知度の把握状況についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(西達男君) 昨年六月から施行されました消費者団体訴訟制度、この運用開始から現時点までに、現在までに合計五つの団体が適格消費者団体として認定をされまして、現在、消費者の利益擁護のための活動を行っているという状況にございます。
  この適格消費者団体から受けた報告によりますれば、それによって把握している限りでは、これまで訴えの提起をしたものが二件ございます。それから、訴えの提起には至っておりませんけれども、裁判外で差止請求がされたものが五件というふうになっております。訴えの提起がされましたのはいずれも最近のことでございますので、まだ判決が得られたわけではございませんけれども、裁判外の差止請求がされた中には交渉によって自主的に改善をしたとして報告があったものもございまして、徐々にではございますけれども効果が現れ始めているというふうに認識をしております。
  また、消費者団体制度にかかわる国民の認知度でございますけれども、これは詳細に何か実態把握をしているわけではございませんが、前回の契約法の改正以来、これは全都道府県において説明会を開催したり、あるいはシンポジウムとか、あるいは適格消費者団体との意見交換会を開催するなど、制度の周知、普及に努めているというところでございます。

○相原久美子君 今日、実は午前中に参考人の方のお話を伺いました。団体の方のお話を伺いまして、確かに先ほどおっしゃいましたように、この訴訟制度ができたことによって相当の効果は上がっているというようなお話も伺いました。まだまだその認知度という点では問題もあろうかと思いますけれども、そこは少しPRも積極的に行っていただきたいと思いますが、同様に、この適格消費者団体の活動資金の部分についての問題点があるかというふうに思うんです。
  さきに申し上げましたように、二〇〇六年当時の担当大臣である猪口担当大臣ですね、消費者や適格消費者団体を支援する団体等からの会費収入を通じて円滑に確保されることが重要である、そのように答えられているんですが、しかし、今日参考人からもお伺いいたしましたが、消費者団体訴訟制度の認知度、これもまだいまいち、そして適格消費者団体の活動資金が消費者やその支援団体による会費で潤沢に賄われているとは言い難いとかがありました。もちろん、今日の参考人の要望もございました。
  そこで、現在活動しております適格消費者団体の活動資金状況について、把握していらっしゃいましたら、お伺いをしたいと思います。

○副大臣(中川義雄君/自由民主党 内閣府副大臣) 非常に大切な御指摘だと考えております。
  この制度がうまくいくかいかないかは、一つにこの活動資金をどうやって円滑に確保するかに懸かっていると思うんです。この法律に基づきますと、第十三条第三項第六号において「経理的基礎」という言葉が使われておりますが、これは分かりやすく言いますと、適格消費者団体が差止め関係業務を安定的かつ継続的に行うに足る財政基盤だと、私はそう見ているわけであります。この財政基盤を現在どうなっているかということについて若干説明させていただきますと、適格消費者団体から提出された財務諸表による限り、適格消費者団体は会費、それから寄附金、その他消費者団体を支援する基金、これも非常に大きく活動を支援しているわけですが、それから、この基金からの補助金というものによって支えられていると思います。
  しかし、このような会費や基金による収入が得られるためには、消費者団体訴訟制度をもっと周知徹底する必要があると考えております。適格消費者団体の活動を広く紹介すること、これは内閣府の大きな使命だと考えておりますので、内閣府としては引き続きこのような周知徹底を十分やって資金の円滑な確保に全面的に協力したいと考えております。

○相原久美子君 活動資金の不足というものがなかなかこの団体訴訟の法律をうまく使うことができないという要因にもなるかというふうに思うんです。
  それで、ドイツ等では公的な資金援助ということもあるようでございますので、是非私は国ですとか地方公共団体が何らかの財政支援をすべきではないかというふうに考えているのですが、この点についてはどうでしょうか。

○副大臣(中川義雄君) 前回の消費者契約法の改正の後に、適格消費者団体に対する寄附等の支援がされるための環境整備に努めて、このために全都道府県において制度説明会を行い、さらにシンポジウムや適格消費者団体との意見交換を行う、こういったことをやってきておりますが、しかしまだまだこれを普及するためには環境整備を整えていかなければならないと考えております。
  できる限り適格消費者団体の事務処理の負担を軽減する、そのことにも努めていかなければなりません。そのためには、国民生活センター等の有する情報、そういったものをスムーズに提供するような、そのことをもっと進めてまいりたいと考えておりますし、それから今回の改正、いや、その前には申請書類の簡素化だとか、それからインターネットを利用しての周知の徹底、そして今回の改正では内閣府への手続の一本化、消費者団体の負担のためにはそれが有用になるのではないかと、こう思っています。
  これに加えて、今お話のあった財政支援についてでありますが、消費者団体の必要な活動資金の状況をよく見極めて、制度の社会への定着の度合いをしっかり見た上でその点についても検討を加えていきたいと、こう考えております。

○相原久美子君 財政的な部分、それと適格消費者団体のこれからの数の増というような形についてもお答えをいただいたのではないかというふうに思います。
  消費者契約法については最後の質問とさせていただきます。
  今回の改正により景品表示法及び特定商取引法においても差止請求が可能となりました。その意味では活動の幅が広がるというふうに考えます。ただ、適格消費者団体においても現在の進捗状況、これは数の部分、財政的な部分、非常に困難であろうというふうに思いますので、認定について、先ほどちょっと事務処理的なところはお話しをいただきましたけれども、改めて消費者が本当に十分に活用できるようなそういう団体、そしてそういう制度であるべく内閣府としても努めていただければ有り難いなというふうに思います。
  それでは、国民センター法の改正法案について次に質問をさせていただきます。
  福田内閣の発足後に消費者重視の視点が強調されまして、今年、消費者行政一元化のため、消費者庁構想というものが出されております。新組織の在り方を検討するために、消費者行政推進会議が二月より議論を始めております。最近では、この秋の臨時国会に内閣府の設置改正法案を提出して、来年春には消費者庁を設置、そのような報道が随分と出されております。
  そこで、お伺いをしたいと思います。
  消費者行政を一元化すべくこのような方向で進められている中で、今回の国民生活センターのこの部分だけ改正案を提出するということの意味合いはどこにあるのかなというふうに思います。この改正案を先行させる必要性についてお伺いできればと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員御案内のとおり、近年、商品、役務等に関する消費者と事業者の間の紛争、増加傾向にあります。また、内容も多様化、複雑化しております。そして、今これは消費者行政も事前監督から事後チェックへという大きな流れがあります。こういったことを考えますと、こうした紛争の発生が増えるという趨勢はこれからも続くんではないか、こんなふうに感じています。
  こういった状況の中で、紛争解決手段として、やはり対等な当事者同士の争いを前提とする裁判上の解決手段だけでいいのか、あるいは国民生活センターも、こうした紛争に当たって様々なあっせんを行っているわけですけれど、こうしたあっせんにしましても法的な根拠がないということで、なかなか大変困難な場合も多いということを聞いております。こういった中でありますので、やはり新たに法改正を行って、国民生活センターにADR機能、新たな裁判外紛争解決機能を早急に備えるということ、これは緊急の課題だというふうに認識をしております。
  そういった認識の下に今この法律をお願いしているわけですが、御質問の中で、今消費者行政全体を見直している中でこの法律を提出する意味合いは何かということでございましたが、要は、今消費者行政の一元化、消費者行政の見直しを行っていますが、これは大きな目的としてこの消費者利益の擁護、増進だというふうに思っています。そして、今この紛争解決手段、新たな紛争解決手段を法改正の中でお願いしているのも、大きな目的としてこの消費者利益の擁護、増進だというふうに思っています。目的は同じでありますし、また、今回お願いしているADR機能は、紛争解決委員会という、今度、第三者委員会、独立した委員会にこうした機能をお願いしておりますので、全体のこの組織がどうなったとしてもこうした独立のADR機能というのは大変重要でありますし、やっぱり存続するものだというふうに思っています。
  この緊急性とこうしたADR機能の特殊性、両方を考え合わせまして、こうした消費者行政全体の見直しと言わば並行する形で議論を進め、そして法改正の方を今先行してお願いしているということでございます。

○相原久美子君 まず、そもそも論から入らせていただかなきゃならないんですが、そもそも消費者紛争にかかわる和解、仲裁というようなものは国がやるべきなのか、それともちょっと国から距離を置いたところでするべきなのか、それとも完全な民間でするべきなのか。政府としては、どのような性格の団体がこういう消費者紛争を担うべきかということで考えていらっしゃるのかなと。
  今お話ありましたように、今後の消費者行政の一元化の政策次第では、この紛争解決委員会が設置される機関、在り方自体も大きく変わってくることも考えられると思うんです。今若干ちょっと踏み込まれたかなというふうに思うのは、独立した機関であると、国民生活センターに置くにしてもというようなことはお話しになっていたわけですけれども、全体を含めてもう一度お答えをいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、御質問の最初の部分ですが、こうしたADR機能、裁判外紛争解決機能をどういった団体が担うべきなのか、民間なのか行政なのかあるいは独法なのか、この主体についての御質問がありましたが、まずこの機能が民間が担うべきなのか公が担うべきかというこのことにつきましては、結論は両方が協力し合わなければいけないというふうに思っています。
  民間の団体におきましてもこうしたADR機能はしっかりと担っていただくこと、これは期待されるところであります。ただ、民間の場合、こうした消費者紛争というのは概して少額の紛争が多いものですから、民間が担った場合、手数料等で活動を支えていくのが大変難しいという事情があるようであります。結果としまして、関係団体とか関係業界が様々な形で支援するという形で民間のADR機能を支えているというケースが多いようでございます。そうなりますと、特殊な分野におきましては大変強みを発揮する、特徴を発揮して大きな成果を上げるということになるのでありましょうが、ただ、業界にまたがるような課題についてどう対応するのか、あるいはアウトサイダーに対してどう対応するのか、なかなか難しい面もあるようであります。
  ですから、公の機関におきましては、ADR機能を担う際にはやはり分野においてしっかりとバランス感覚を持つ、要は特定の分野に偏らない、こういったしっかりとした活動をしなければいけないというふうに思っていますし、公正中立性は当たり前でありますし、また、全国的にもあまねくバランスよくこうした活動が享受できるようなことを考えなければいけないんではないか、このように思っています。民間と公の役割分担はそういうことだというふうに思っていますので、ですから、公の方が逆に民間の機関に対してこうした強みや特徴があればこうした案件を紹介するというような連携も考えられるのではないか、こんな関係だと思っています。
  そして、公の中で今回どうして国民生活センターにこの機能を担わせるかということでありますが、国民生活センター、御案内のとおり、消費者基本法の中でこうした苦情のあっせん等において中核機関として位置付けられています。様々な実績もあります。それなりの信頼性も確保しているものと思います。公の機関の中でどこが担うかということを考えますと、国が直接やるということになりますと、新たな機関をつくらなければいけない等々の行革との関係もありますので、まずは国民生活センターにこの役を担っていただく、公の中ではそういった形が一番適切ではないか、こういった判断の下に今回国民生活センターにADR機能をお願いしている、こういったことでございます。
  そして、こうした一元化の議論の中でこのADR機能、国民生活センターのADR機能がどうなるかということにつきましては、こうした今申し上げたような中での国民生活センターのADR機能ですから、民間と協力していくという意味においてもこれからも大切だというふうに思いますし、行政の中においても独立した大変重要な存在だと認識しておりますので、全体が大きく変わったとしてもその役割、機能は変わらないと思っておりますので、全体の位置付けはこれから議論が進むわけですが、この機能はしっかりと大きな役割を担っていただきたいと思いまして、こういった形で法改正をお願いしている、そういうことでございます。

○相原久美子君 国民生活センターにつきましては、消費者の、先ほどおっしゃっておりましたように、利益の擁護、促進を図るという後見的な機関として存在しています。相談件数につきましても、経由と直接相談と合わせましても年間一万件に近いと聞いております。衆議院での審議の中でも言われましたように、仲介委員、仲裁委員については中立公正な立場で職務を行うとされております。私も公正はいいと思うんですけれども、しかし、中立というスタンスは消費者の後見的な機関であるセンターの性格とはややそごがあるのではないかと。最初にセンターに相談をする消費者も戸惑いを感じるのではないか、違和感を持つのではないかというふうに思うのですが、そこでお伺いをしたいというふうに思います。
  紛争解決委員会の仲介委員、仲裁委員については、その委員会が国民生活センターに置かれる機関として、消費者と当事者の情報力の格差、交渉力の格差からして消費者の立場に即したことを前提とする考え方、これについてはいかがでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、国民生活センター、第三条におきまして国民生活の安定及び向上に寄与することを目的としておりますので、その中に設けられますこの紛争解決委員会もやはり消費者利益の擁護、増進を図ることを目的としているというふうに認識をしております。ですから、消費者と事業者の情報力ですとか交渉力の格差、こういったものを踏まえつつ、必要に応じて消費者のために積極的に後見的な役割を果たすということ、これが期待されているというふうに認識をしております。
  一方、御指摘のとおり、第二十条第四項及び第三十条第五項におきまして「中立かつ公正な立場において、」というふうに記されております。これは、まず中立かつ公正な立場においてその委員会が運営されませんと、これ事業者も和解、仲裁に応じることは考えにくいということでありますので、この基本は大切にしなければいけないというふうに思っています。
  ただ、それもやはり必要に応じて消費者のために積極的に、先ほど言いました交渉力等の格差を踏まえて後見的な役割を果たす、これが前提になっているというふうに考えております。こうした後見的な役割を前提とした上で、この法律の中にありますような中立かつ公正な立場において活動する、これが紛争解決委員会の立場だというふうに認識をしております。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  紛争解決委員会が案件を迅速に処理し、消費者等に負担を掛けないためには、常勤を想定してない仲介委員、仲裁委員を助けて、事案の解決に向けての前段の業務にかかわる事務局が重要になるだろうというふうに思います。そこで、国民生活センターの見込みでは、委員会は年間二百件ほどの紛争を取り扱い、委員への謝金も最低三千万円程度は必要であり、事務局規模も最低二十人程度は要するのではないかという発言が衆議院の審議の中でもなされております。
  そこで、この件についてお伺いしたいと思うのですが、紛争解決委員会の事務局の重要性について、衆議院の審議等でも指摘されております、現行の国民生活センターの百十七名の職員数からしますと、他部門の人員から体制をつくるのではなくて、センターの職員数そのものを増やすのでなければ、重要消費者紛争の解決をも含めて国民生活センターとして国民の期待にはこたえられないのではないかというふうに思いますが、どのような体制を想定されているのでしょうか。

○副大臣(中川義雄君) ただいま御指摘のように、国民生活センターがADR機関の事務局としての役割をしっかりやっていくためにはそれなりの体制が必要だと思っているんです。ただ、委員も御承知のように、行政改革推進法では、独立行政法人については五%減員しろというような法律があるものですから、これとの間でどう調整するかという難しい問題もあると考えておりますが、しかし、総理も大変この問題については熱心に考えておりますので、内閣といたしましては、事務局体制の整備に当たっては国民生活審議会、それから消費者行政推進会議、そういった専門家の意見も十分聴きながら、そしてまたこの議会でいろいろと議論されるそういう御意見、そういったものを十分参酌しながら事務局体制はしっかりとしたものを構築しなければならないと、法で規制はされているがそこをどうやって切り抜けていくのか、これが我々にとって与えられた大きな課題だと思って、大きな責任を持ってやっていきたいと、こう考えております。

○相原久美子君 やはり、新たな役割ということになりますし、国民の安心、安全の担保ということになりますので、是非ともその辺は、国センに投げるだけではなくきちっと政府としても責任を持っていただければというふうに思います。
  次に、独立行政法人のこの計画、先ほどもおっしゃっておりましたが、様々な今課題となっておりますところで、この国民生活センターにおいては、東京事務所について移転も含めその在り方について検討をするとされています。しかし、どの辺りから委員の方を選任されてくるのかちょっと分かりませんけれども、各委員の方ですとかそれから消費者の利便性を考慮しますと、東京事務所の移転というのは見直す必要があるのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(西達男君) 国民生活センターにつきましては、本部が神奈川県の相模原にございまして、一方、東京の方には東京事務所がございます。それで、先生御指摘のとおり、この紛争解決を国民生活センターが担うということになりますと、これは相模原の本部ではなくて東京事務所の方で機能を担うことになるんではないかというふうに思っております。
  したがいまして、この整理合理化計画でもございますけれども、この東京事務所において実施する業務を精査しつつということでございますので、こうした新たに担う業務、こういったものも勘案して、移転を含めてのこの移転というのは、相模原に移転するだけではなくて東京の都内でまた更に適切な立地を求めて移転するということを含めての移転でございますけれども、その移転の在り方、東京事務所の在り方について更に検討をしてまいりたいというふうに考えております。

○相原久美子君 消費者紛争につきまして、これ手数料なしで行うものとなっております。そうであれば、紛争解決に要する費用、これは国からの運営交付金で賄うしかないというふうに考えますけれども、国は先ほど言われたように独立行政法人への運営交付金についても削減を進めております。今回の事務所費というか事務局の体制だけの問題ではなくて、この重要消費者紛争にかかわって、恐らく出張等々ですとか様々な附帯のものが出てくるかというふうに思うのですが、そういう部分の予算というか増額部分についてはどう考えているんでしょうか。

○副大臣(中川義雄君) 委員御指摘のような制約があることは十分承知しております。しかし、この国民生活センターの新たな使命としてのADR機能を十分に発揮していくためには、財政基盤もしっかりさせなければならないことも大切だと、こう思っております。
  その中でどのようにやりくりするかはこれからの問題ではありますが、やはり国民生活センターの予算のうち、合理化できるといいますか軽減できるものは軽減しながら、この機能だけはしっかりさせなければならない、そんな考え方で今後とも進めていきたいと、こう考えております。

○相原久美子君 あくまでも国民の立場に立って、消費者の立場に立ってということでお願いをしたいというふうに思います。
  重要消費者紛争については、内閣府令でその定義について三点ですか、ただされております。ここについてはちょっと省略させていただきますけれども、この一つにあります、被害が複数の都道府県にまたがるものというような記載があるのですが、相当多数の被害と複数の都道府県にまたがる被害ということになりますと、例えば私などは北海道の出身です。北海道、一都道府県という形で言われましても、あの全道で被害が拡大するとなると、これはまた大きな被害だろうというふうに私どもは思うのですが、被害の範囲が一都道府県にとどまっていても重要消費者紛争となるのかどうか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(西達男君) 今御指摘の重要消費者紛争につきましては、内閣府令において詳しい定義を定める予定でございまして、これについては現在検討中でございますけれども、ただし、これまでの国民生活審議会等での意見も踏まえますと、複数都道府県において同種の被害が相当多数生じているような事件、あるいはその時点では一都道府県内に収まっておりましても、その後に同様の被害が相当広域、多数発生するような事件、こういったものを扱うことが適当であろうというふうに考えております。
  ただし、具体的に何件の被害があればということについては、個々の被害の内容とか状況に応じて異なり得るというふうに思われますので、具体的な数字については定めることは困難であろうと思っておりますけれども、ただし原則的には、一都道府県内でしか発生していないような紛争については、消費者基本法での国と地方の役割分担ということにかんがみても、一義的には地方公共団体あるいは都道府県が紛争処理に当たるべきであろうというふうに考えておりまして、国民生活センターは、それによっては対処し難い事情のあるものについて、その処理に当たるのが基本というふうに考えております。
  これは消費者の利便性という観点から見ても、身近な地方公共団体で担当していただくというのが適当かなと考えてございますけれども、ただし、先ほども述べましたとおり、ある時点では一都道府県内に収まっていても、その後に同様の被害が相当多数に及ぶ、あるいは広範囲に及ぶというものについては国民生活センターの委員会で扱うことが適当であるというふうに考えておりまして、そのような場合にはこの重要消費者紛争に当たるという方向で内閣府令を定めていきたいというふうに考えております。

○相原久美子君 多分これからまた定められるというふうに思いますが、こういうときだけ分権分権と言わないでいただきたいんですよ、実は。やはり消費者の被害の拡大防止ということが一番の観点でこの委員会ができるわけです。それと、今、地方の紛争処理委員会というふうに条例等々で定められているところの実態も多分御存じだろうと思います。ですから、是非本当に積極的な形でこの被害防止に努めるのだという観点から検討をいただきたいというふうに思います。
  次に、紛争解決委員会が行う仲介、それから仲裁手続について、手続終了時に必要と認めるときは結果の概要を公表できるとしております。すべての事案の公表をすることにはなっておりません。紛争解決委員会の透明性の確保のためには、事案についての年次報告、これを行い、提起された紛争の内容、処理経過等について概括的に把握できるようにするとともに、事例集を作成するなど、消費者被害の未然防止と委員会運営の透明性を担保するために情報開示の措置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 紛争解決委員会で取り扱います紛争解決につきましては、同種のそして多数の紛争がこの背後には存在するものと考えています。ですから、一つの紛争を解決するということは、同種の多くの紛争の解決にもつながるでしょうし、未然発生防止にもつながるというふうに考えます。ですから、この法案におきましては紛争解決手続による結果の概要を公表できるように措置しているということであります。これ、結果の概要の公表制度、解決基準の安定が図られる、あるいは予測可能性が高まる、あるいはこの委員会の透明性が高まる等々、これは大きな意味があるというふうに思っています。是非、この結果の公表につきましては積極的に進めていかなければいけない、そのように思っています。
  今の質問の中で、年次報告とか事例集はできないかという御指摘でありました。取りあえず、今そういった予定は存在いたしませんが、何か工夫ができないか、御指摘もいただきましたので検討したいと思います。

○相原久美子君 前向きな検討をよろしくお願いいたします。
  国民生活センターは私も先日お邪魔をいたしまして、中を見させていただきました。御説明も伺いました。センターの最前線で電話相談をしている相談員は十四人、しかもその身分は全員非常勤職員。恐らく国の非常勤職員と勤務時間を同じくしているということだろうと思いますので、通常、常時十四人が受けているという状況ではありません。また、雇用更新をしているとはいいながら一年雇用の不安定さがある。消費者問題が高度化し、悪質化し、適用法律の改正も掌握しなければならない、このような本当に専門性の高い相談員でございます。
  先ほど、国民生活センターの方からもお伺いをいたしました。そもそもの、できた当初は相談員の業務はこれほどの専門性も必要なく、そして周りの状況も違ってきたと。今はやはり高度な専門性、スキルのアップということが必要だということが言われております。ところが、新聞報道等々にも大きく指摘をされておりますけれども、こういうセンターにいる最前線の相談員の方、この方はなかなか地方公共団体のように権限の付与がないということで、あっせんとか何かの行為に移ろうと思っても事業主等々がなかなかそれに応じてくれないというような悩みもあるようでございます。
  そういう点で、処遇についても一つ、それからこういう権限の問題についても一つなんですが、この辺についてお伺いできればというふうに思います。

○国務大臣(岸田文雄君) 消費生活に関します相談、ますます内容が複雑になり、また多様化しております。
  御指摘のように、苦情相談件数も大変高水準が続いているという中でありますので、相談員に求められる専門性もますます高まっているということでございます。相談員の役割、ますます重要になってきているというふうに認識をしておりますが、一方で、御指摘のように、予算の制約ですとか厳しい定員事情から非常勤職員という形態を取らざるを得ない等々、この処遇につきましては大変厳しいものがあるということ、認識をしております。
  まず、内閣府としましては、こうした状況をしっかりと認識した上で、相談員の皆さん方の働きやすい環境整備に努めなければいけないというふうに思っていますが、その際に、やはり予算要求等でしっかりと努力することによって環境整備に努める、こういったことを考えていかなければいけないんではないか、そのように思っています。
  そして、権限ということにつきましては、御指摘のように、従来、苦情処理におけるあっせん対応ですが、法的な根拠がない等々、相談員の皆様方、いろいろと苦労をされておられる、困難に直面しているということがございます。ですから、今回もADR機能をしっかり法律の中に明記する形で新たな権限を国民生活センターに付与して、しっかりとこうした紛争処理に当たっても役割を果たしていただきたい、こういったことを考えたわけでありますし、また、それ以外の権限につきましても国民生活審議会等々で様々な議論が行われています。こうした議論も参考にしながら今後また検討を続けていきたい、そのように思っています。

○相原久美子君 できればADR機能を使わなくても済むくらいの段階で迅速な解決が望ましいわけですので、検討をよろしくお願いいたします。
  次に、全国の消費生活センターについてお伺いをしたいというふうに思います。
  国民生活動向調査によりますと、相談窓口に申出のない相談、相当数の消費者被害が存在するのではないかというふうに指摘されております。そして、一方では、内閣府消費者調整課の調査で、この十年における地方公共団体の消費者行政関係予算そして担当職員数は大きく削減されてきております。このような状況は結果として相談員の不足ですとか電話回線の不足、そして窓口の開設時間、開設日の縮小につながってきていて、先ほど申したように、結果として、相談をしたくても相談ができないという実態が出てくるのではないかというふうに思います。
  このような地方公共団体の現状、これは総理の言われる消費者重視の行政から大きく乖離しているのではないかというふうに思いますが、御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、地方の消費者行政につきましては、地方公共団体が処理する自治事務でありますが、おっしゃるように、予算、人員等も減少傾向が続いているというふうに認識をしております。一方で、地方の消費者行政の窓口は、やはり国民との接点という意味で、消費者行政にとりまして大変重要な位置付けにあるというふうに認識をしております。ですから、今、消費者行政の一元化あるいは見直しの議論が行われているわけですが、その議論の中でも、消費者行政を見直す際に、国だけが変わってもなかなか成果につながらない、国の行政組織の見直しとセットで地方の消費者行政組織も見直していかなければいけない、国と地方が連携してこの改革を進めることが大切だ、こういった議論が行われているところであります。
  是非、消費者行政の中で、地方の消費者行政の在り方、消費生活センターを始めとするこうした窓口の在り方についてもしっかりと検討を行って充実に努めていかなければいけない、そのように思っています。その際に、国もこうした地方の消費者行政窓口の重要性にかんがみて、何ができるのか、地方自治体も何ができるのか、さらには、こうした財政厳しい中でありますので、例えば、こうした地方の消費生活センターの相談員の皆様方を支えるために、NPOですとか公益法人ですとか、こういった仕掛けも活用することができないだろうか、こんな議論が今行われているところであります。
  国、地方自治体、そしてそれ以外の民間のセクターも含めて、こうした地方の消費者行政の体制、窓口をしっかり支えていかなければいけない、このように考えておりまして、今こういった議論の行方を見守っているところでございます。

○相原久美子君 まさにそういう状況が次のちょっと質問につながっていくわけですけれども、相当数の今報道がなされております。いかに消費者行政に国民の期待が集まっているか、そしてメディアも注目しているかということだろうと思うのですが、二〇〇八年二月の全国消費者相談員協会調査、これでは相談員の約七割が一年雇用契約、そして五六%が年収二百万円未満である、このような結果が出ております。最近の新聞にも、官製ワーキングプアの代表であると、このように報道されている。経験とスキルが要求される職において、雇用の不安と生活不安を抱える人たちに頼る消費者行政であってよいのかというふうに思います。
  消費者被害の拡大を未然に防いでいく相談員の人員の充実と処遇も含めた改善、これが消費者の声をいち早く吸い上げる、そして未然防止につながっていくのではないかというふうに思います。引き続きますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。

○国務大臣(岸田文雄君) 今も申し上げましたように、地方の相談員の皆さん方の役割、ますます重要度が増しているというふうに認識をしております。
  こうした相談員の皆さんの待遇につきましても、国として様々な支援をしなければいけない。従来はこの経由相談を国民生活センターで対応するとか、あるいは研修を行うとか、情報の提供を行うとか、様々な形での環境整備を行ってきたわけですが、更に一層の支援を考えるべきではないか、こういった議論が国民生活審議会あるいは消費者行政推進会議、こういった中でも行われておりまして、まずは消費生活センター、この地方の窓口を法律的に位置付けることができないかどうか、こんな議論もありますし、その上でどんな支援ができるんだろうか、こんな議論が行われているところでございます。
  そして、その中身としまして、先ほど申し上げました国からの支援、地方交付税の話とか地方交付金の話ですとか、こんな在り方について見直すことができないか、こんな議論もありますし、そもそもこれは自治事務でありますので、地方公共団体にまず消費者行政に対する認識をしっかり持ってもらってしっかり支援をしてもらわなければいけないんではないか。そして、財政厳しい中でありますので、民間セクターにおいても、こうした相談員の皆さん方、特に人件費の部分はいろいろな制約があるものですから、そういった部分について何か支える仕掛けをつくることができないだろうか、こんな議論が今行われておりまして、是非その辺でしっかりとした結果を出したい、そのように思っております。

○相原久美子君 国民生活センターの情報の部分でちょっとお伺いをしたいと思います。
  機能の一つとしましてPIO―NETによる情報の提供がありますが、この情報を地方が十分に活用するためには各地の消費生活センターとつながっていなければならないだろうというふうに思いますが、現在つながっているのはどの程度か、そして今後の計画についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(西達男君) 国民生活センターと各地の消費生活センターをオンラインで結んでおりますPIO―NETの端末でございますが、この設置基準として、週四日以上相談窓口を開設している消費生活センターあるいは相談窓口に設置するという基準で運用しておりまして、平成二十年三月末、今年の三月末現在で四百八十五か所、これは設置率は約九〇%に当たりますけれども、に設置をしておるところでございます。
  今後のPIO―NETの端末の設置につきましては、先ほど大臣からもお話がありましたように、現在、消費者行政推進会議において、地方の消費者行政の充実強化あるいは消費生活センターの充実強化、こういったことが議論されております。こういった検討を更に踏まえて、普及のためにも対応してまいりたいというふうに考えております。

○相原久美子君 週四日以上ということになりますと、逆に言えば週四日開いていないところがまたあるということだろうというふうに思いますが、消費者はそれぞれ地方にたくさんおります。そして、まさに情報がどんどんどんどん逆の意味で入ってきているわけです。被害がそれだけ進むということになりますので、それに対応するためのまた情報も本当に必要だろうと。地域は特に何日かしか開いていなくても、その情報があることによってということが明らかでございますので、是非とも早急に設置できるような形で検討いただければなというふうに思います。
  最後になりますけれども、これは本当に蛇足的な質問で申し訳ないのですが、今回の改正案では、センターの業務として第四十条に、訴訟の準備又は追行の用に供するための資料提供について新たに規定されました。これにかかわり、第四十八条では消費者の罰則規定が設けられております。
  多分に私も使用外目的というのはこういうことだろうなとは何となくは分かるのですが、消費者がこの法案を周知するためにもこの罰則にかかわる目的外使用とはどのようなことを想定しているのか、お聞かせいただければと思います。

○政府参考人(西達男君) 先生御指摘のとおり、本法案の第四十条第一項で、和解の仲介の申請をした消費者がその手続によって解決されなかった場合であって、また、目的となった請求について裁判所に訴えを提起するときは国民生活センターからその必要な資料の提供を受けることができるというふうにされておりまして、ただし、その資料の提供を受けた消費者は、その訴訟の準備又は追行の用に供する目的以外の目的に使用してはならず、それに違反した場合は三十万円以下の過料に処せられるとなっております。
  この目的外利用ということでございますけれども、具体的には、国民生活センターから提供された資料を消費者がその相手方事業者に対する嫌がらせとかあるいは信用を失わせるということを目的としてインターネット上のサイトやブログに掲載するとか、あるいは相手方である事業者の競争相手、競争事業者に売却するとか、そういった場合を想定しておるところでございます。

○相原久美子君 ありがとうございます。
  時間が若干残りましたけれども、質問については終わりたいと思います。
  最後でございますが、二大臣いらっしゃっております。今回の改正案について私どもは反対するものではございません。ただ、しっかりとやはり消費者の立場に立った行政をしていくというところで、この運営をしていくためにもまだまだ課題が残されているというふうに思います。是非とも、政府としてしっかりとした支援、対策を行っていただければというふうに思います。
  終わります。